川辺川に計画されている流水型ダム 環境への影響を懸念する声も
川辺川に計画されている流水型ダムによる環境への影響評価についてまとめる熊本県の審査会が2日開かれ、委員から影響を懸念する声もあがりました。
審査会は生態系や環境、水質などの専門家の委員で構成されています。審査会前には、委員たちが五木村のダム水没予定地、頭地地区を60分の1のサイズにした大型模型も視察し、国交省の担当者から説明を受けながら川の流れなどを確認しました。また、ダム本体の工事の際に川の水を流す相良村の仮排水路も視察しました。
■視察した委員
「仮排水路が575メートルあり、真っ暗だと思うが魚は入って遡上するんですか?」
■ 国交省の担当者
「575メートル規模の遡上の実例は確認できていないです」
視察後には、国がまとめた環境影響評価の準備レポートについて説明がありました。
■ 環境影響評価審査会 松田博貴会長
「一度誤って壊してしまった自然や環境はなかなか取り戻すのは難しいので、冷静に謙虚に丁寧に考えていく」
審査会は3月中に意見をまとめて蒲島知事に準備レポートを提出し、知事は在職中のうちにレポートへの意見もあわせて国交省へ最終意見を述べる予定です。
また翌日の3日には国交省が、流水型ダムが五木村の環境に与える影響について、村民を対象に説明会を開きました。村の要望を受けて実施された説明会には、30人が参加。ダム建設に伴い影響が予想される水質の低下や、河川への堆積土砂などについてのシミュレーションが示され、対策などについて説明がありました。そして、大型模型も視察した住民側からはダムへの流木を心配する質問もありました。
■国交省側の学識者
「流木が排水溝の穴をふさぐのではないかと心配されている方もいるかと思うが、日本国内はもとより世界的にみても、流水型ダムで流木で穴が閉塞されて問題になったという例はほとんど聞いたことがない」
国交省は2日に渡って説明会を開催しました。