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外国人を狙った行為が増える懸念も 増加傾向にある繁華街での"客引き"対策審議会

2024年1月31日 18:09
外国人を狙った行為が増える懸念も 増加傾向にある繁華街での"客引き"対策審議会

熊本市の客引き禁止条例が施行されて5年。客引き行為は一時、減ってきたものの最近、増加傾向にあります。悪質な客引き等を取り締まろうと設置された有識者による対策審議会が31日、開かれました。

■黒服の男
「キャバクラは?キャバクラのお探しあるなら」
通りを歩くとしつこく声をかけてくる男。こうした悪質な客引きを取り締まるため2019年4月、熊本市は「客引き行為等の禁止に関する条例」を施行しました。

中心市街地での客引き行為は全面禁止。違反した店には指導・警告・命令を行い、従わない場合は5万円以下の罰金が課せられ、店の名前が公表されることもあります。

条例が施行された後、新型コロナの影響で一時、閑散とした繁華街は、コロナ5類移行をきっかけに再び賑わいを取り戻しています。しかし、そんな街では。

■熊本中央警察署 中野隆一生活安全課長
「客引きに声をかけられて、ついて行ったお店でぼったくり等のトラブルになったものが多い」

勧誘された飲食店で高額な料金を請求される、いわゆる「ぼったくり被害」は、県警が把握しているだけで去年は20件。条例がきっかけで大幅に減りましたが、前の年よりも増加しています。

そして近年、増加傾向にあるのが「客引き行為」です。熊本市が繫華街で2日間調査したところ、去年は283人と、コロナ禍前の水準まで増えていることが分かりました。客引きを行っていたのは、電車通りからシャワー通りまでの下通アーケードで131人、その周辺では西銀座通りのエリアが94人と最も多くなりました。

31日に開かれた客引き行為の対策について検討する審議会では、海外の観光客やTSMC進出による労働者の増加によって街の活気が戻ることが期待される一方で、外国人をターゲットにした客引き行為が増える可能性があるとの指摘もありました。

■上通商栄会 田原誠也会長
「国内外での観光客が大変増えている所で、人流とともに客引きも増えたり減ったりしている。観光客が熊本を訪れた際に客引きがあった場合、熊本に対してかなり悪いイメージを持たれて帰ってしまうのが一番心配。客引きがないように、私ちで知恵を借りながら熊本を良くしたい」