【議員失職へ】公選法違反の罪に問われた熊本市議の上告を棄却 告示前に投票呼びかける名刺など配布
公職選挙法違反の罪に問われた熊本市議会議員、田尻善裕被告の裁判で、最高裁は4月22日付けで田尻被告の上告を退けました。近く有罪が確定し、田尻被告は市議を失職します。
熊本市議の田尻善裕被告(60)は、去年4月に行われた熊本市議選の告示前に、自らへの投票を呼びかける名刺やリーフレットを有権者に配った公選法違反の罪に問われています。
去年10月、一審の熊本地裁は罰金30万円の有罪判決を言い渡し、二審の福岡高裁も控訴を棄却。田尻被告が最高裁に上告していました。そして最高裁第二小法廷は、4月22日付で上告を棄却しました。
田尻被告は25日、「最高裁の決定は到底受け入れられるものではありません。最後まで真実を求めていきます」とするコメントを発表しました。上告棄却を受けて最高裁に異議申し立てをしたということで、最高裁がこの申し立てを認めない限り、近く有罪が確定します。
有罪が確定すると、田尻被告は市議を失職して5年間公民権が停止され、次の市議選に立候補できなくなります。
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
熊本市議会の寺本義勝議長はKKTの取材に対し、「訴訟にまで発展する事案が起き、ここまで長い時間がかかっており、市民に対して申し訳なく痛恨の極み」とコメントしています。
(平井友莉キャスター)
熊本市議会では、仮に今月、有罪が確定して議員を失職した場合には、すでに支払われている今月分の議員報酬67万8000円のうち失職した日以降の日割り分を、今月支払われた4月から9月分の政務活動費120万円は、5月以降分の返還を求めることになるということです。
先月以前の議員報酬については、「返還請求するか、いつまでさかのぼるか、今後検討する」としています。