「泥酔するほどの量ではない」南阿蘇村でも宿直中に飲酒 去年1年間で職員の4割
去年の高森町で発覚した泊まりの当直中の飲酒。業務をした職員の半数以上が酒を飲んでいました。そして、高森町と隣接する南阿蘇村でも、当直中の飲酒が明らかになりました。担当した職員の4割が酒を飲んでいて、村民から怒りの声も。
高森町での飲酒を受けて南阿蘇村は、去年1年間に泊まりの当直を担当した男性職員100人に、当直中に飲酒したかアンケートを実施。その結果、「飲酒したことがある」と答えたのは、全体の4割にあたる41人。「おととし以前を含めて飲酒したことがある」と答えた職員は88人に上りました。
酒の種類や飲酒した量は調べていないとしていますが、南阿蘇村はKKTの取材に対し「泥酔するほどの量ではない」と回答しました。
南阿蘇村によりますと泊まりの当直業務は通常2人体制で、午後5時から翌朝8時半まで。当直した職員には1回につき4400円の手当てが支給されます。夜間の電話対応や防災無線の放送などを行いますが、車の運転はせず、飲酒が原因で業務に支障が出たことはないということです。
九州北部豪雨や熊本地震など、夜中に災害が発生した経緯がある南阿蘇村でも明らかになった当直中の飲酒に住民からは怒りの声が。
■村民
「それは当直にならない。大事な当直だから」
「当直している間に何かあったら、それに対応できるようにしておかないといけない」
KKTの取材に対し南阿蘇村は、「ここ数年は村長が『当直室では飲酒しないように』と伝えていたが、そこまで厳しく指導していなかった。飲酒した職員には厳重に注意をする。今後は当直中の飲酒がないように改めます」とコメントしています。
高森町、南阿蘇村で当直中の飲酒が明らかになりましたが、県内のほかの自治体の状況をKKTが調べたところ、職員が夜間の「当直」をしている自治体は、高森町と南阿蘇村をのぞいて熊本市や荒尾市、水俣市など12市町村ありました。
(熊本市・荒尾市・水俣市・南小国町・小国町・御船町・嘉島町・芦北町・津奈木町・産山村・西原村・五木村)
これらの自治体はKKTの取材に対し「飲酒はない」としています。高森町の件を受けて、改めて注意喚起を行ったとする自治体もありました。
また、県内45市町村のうち31市町村が、警備会社やシルバー人材センターなどに「夜間の対応」を委託していて、これまでに飲酒の情報は入っていないということです。