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液状化被害からの復旧対策検討開始 氷見市 課題は工法の選考・選択と地域住民との合意

2024年2月21日 19:23
液状化被害からの復旧対策検討開始 氷見市 課題は工法の選考・選択と地域住民との合意
能登半島地震で氷見市では液状化現象が起き、住宅や道路に大きな被害が出ました。

市は地盤工学の専門家を招いて被害状況を視察し、対策工法の検討を進めています。

液状化の被害が大きかったのは、氷見市中心部の北大町や栄町、間島の県道沿い、およそ1.5キロの区間です。

地盤沈下や隆起が相次ぎ、道路が陥没したり、住宅が基礎から傾いたりしました。

市は、今も被害の全容を、把握できていません。

2月15日、氷見市が招いた専門家は、林市長と同じ京都大学防災研究室出身の三村衛名誉教授です。

三村名誉教授は林市長から説明を受けながら、液状化被害の状況を視察しました。

地割れが起きて床が傾いた住宅の内部に入ると。

住民
「全体的に亀裂がずっと入っているもので、中庭の地割れからずっと中(床下)へ入ってきている状態」

浮き上がった畳の隙間から床下を見ると、地面に亀裂が走っていました。

三村名誉教授
「海岸沿いということで、もともと液状化に弱い、弱い砂地盤が存在している所に強い地震が来たということで、こういう被害になったんだと思います」

液状化は、水分を含んで緩くつながっていた砂の粒が地震の振動でバラバラになり砂と水が分かれ、水が地面の上に噴き出し、地盤が沈下する現象です。

住民からは、不安の声が上がります。

氷見市栄町新道町内会 鎌和紀会長
「怖いのは、建物が壊れただけなら修理できますけど、地面がこんな状態になったら、次に何かあったら、もっとひどいことになるだろうし」

三村名誉教授は、こうした液状化の被害を防ぐ地盤対策などは限定的だとし、4つの工法を挙げました。

三村名誉教授
「地盤を硬くするか、地下水を下げてしまうか、全体を囲ってしまって変形しないようにする。後は水を逃すという手もありますけれども、もう少し地盤とか地下水の状況をきちんと調べて、それで取り得る最適な工法というか、対策を考えていく必要があるのかなと。皆さんの合意が出ないとできないことがありますんで、いわゆるその地域をどうしていくかということとセットだと思います。皆さんがどうされたいのかと」

林市長は対策を進める市の方針について。

林氷見市長
「行政としてなるべく個人に負担がかからないような方策をまず考えてみてですね、それをもとに住民の皆さんと話し合いながら進めていく格好になるじゃないかなと思います」

氷見市は、詳細なボーリング調査を行い、地下水の高さや流れなどを確認した上で対策を検討するとしています。
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