観光需要や域内連携 敦賀延伸で高まる期待 北陸新幹線と富山県経済
敦賀延伸開業で経済にはどのような影響があるのか。
県内観光地や有識者を取材しました。
宿泊客を見送る様子
「またどうぞお待ちしています。お嬢さん、また来てね。ありがとうございました」
黒部市の宇奈月温泉にある旅館、サン柳亭です。
北陸新幹線の敦賀延伸による関西方面での観光需要の高まりに期待を寄せています。
サン柳亭 小柳博美女将
「関西圏のお客様、ガラッと来てくれるんじゃないかと思って、私たちは期待していますね」
2015年の北陸新幹線開業は、首都圏からの観光需要を押し上げ、宇奈月温泉に大きな恩恵をもたらしました。
宿泊客数は大きく伸び、この年以降も30万人を超える年が続きました。
一方近年は、新型コロナにより大きな打撃を受けたうえ、2024年の元日には能登半島地震があり観光への影響が懸念されています。
旅館では、敦賀延伸に合わせて観光復興を進めようと独自に取り組みを始めています。
コース料理には、シロエビやホタルイカなど富山産の食材を使用するほか、2月からは、しゃぶしゃぶに能登牛を使い、加賀野菜も取り入れました。
サン柳亭 小柳博美女将
「私たち支援すると同時に、お客様も、召し上がることで支援の一環でお互い共有しあうという。結局、ぐるぐると縁がまわっていくというか循環するという足がかりになればと思って」
今回の敦賀延伸では、石川県の加賀温泉と福井県の芦原温泉に新幹線の駅が設けられます。
女将は、北陸新幹線沿線に競合相手となる温泉地が生まれると捉える一方、北陸一帯が大きな観光エリアとなる機会とみて取り組みを進める考えです。
サン柳亭 小柳博美女将
「お客様自身が観光の遊び方をガラッと変えて、温泉三昧で歩こうかなというお客様の問い合わせはございます。だんだん距離が短くなるということは、観光のエリアがそれだけ一体化するチャンスだと思うんですね。つながる北陸ですね」
敦賀延伸開業は北陸の経済にどのような効果を与えるのか。
専門家は。
北陸経済研究所 藤沢和弘さん
「まずは 観光への影響って大きいと思います。不幸なことに地震があったんですけれども、それを補って、北陸応援割というキャンペーンもできましたし。そういった特殊要因も含めて相当のお客さんが富山には来てくれると。まずそのあたりは十分予想できるところかなと思います」
北陸経済研究所の藤沢和弘さんです。
さらに”ものづくり”への影響を指摘します。
藤沢さん
「ものづくり、富山強いですけれども、外からも企業はやってくるし、その外から来た企業との連携も始まっていきますので、ものづくり、特殊な技術、強い技術を持つものづくりの会社にとってはすごくチャンスが出てきたと思います。域内連携って結構見逃しがちなんですけれども、富山と福井がまあ1時間しないですかね。それぞれ、やはりものづくりやっていても得意分野が違うので、連携して補う形ってのはこれからいっぱい出てくるし、若い人も含めて企業人の成長への執着とか、どこにどういう需要ビジネスを持ってくかとかっていうのは試されてる時なので、効果を地域に落とすという点では結構大事な時期だと思います」
今回の延伸が富山の経済活性化につながることを期待します。