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“トランプ関税”日本24% 富山県内企業で動揺広がる

2025年4月4日 11:07
“トランプ関税”日本24% 富山県内企業で動揺広がる

アメリカのトランプ大統領が日本に対し24パーセントの関税を課すと発表したことを受け、アメリカ関連のビジネスを展開する県内企業では、動揺や困惑が広がっています。

産業機械の製造などを行う滑川市のスギノマシンです。

今回の発表に、杉野副社長は「想定以上で驚いた」と話します。

スギノマシン  杉野岳副社長
「いろいろ想定はしていたんですが正直、想定の最悪の方だなというのが率直なところ。部分的にというのもあると思っていたが、全部であの高い税率というのが驚いた」

トランプ大統領は日本時間のきのう貿易相手国と同じ水準まで関税を引き上げる「相互関税」の導入を発表しました。

日本には24パーセントの関税を課し、今月9日までに発動するとしています。

スギノマシンは自動車部品を加工するための機械などを北米に輸出しています。

関税による業績への影響は避けられないとした上で、長期的な視点での対策が求められるとしています。

スギノマシン  杉野岳副社長
「アメリカ市場は、長期的にどうなるかは別にしても、短中期で見て外せない市場であることは変わらない。どれだけ囲い込みをされても無視はできない。どんな状況になっても大きな損をしないような策を打っていくことが大切かと思う」

県内に生産拠点を持つ建材メーカー、YKKAPはアメリカが先月発動したアルミニウム輸入に対する25%の関税について、すでにアメリカの現地法人に影響を及ぼしているとしました。その上で「今回の相互関税についても注視していきたい」としています。

また、富山市に生産拠点を持つ機械メーカー、不二越も「引き続き情報を収集し、今後の動向を注視していく」としています。

そして影響が懸念されるのは工業製品だけはありません。

県酒造組合の桝田隆一郎会長は近年の人気を背景にアメリカ向けに拡大していた日本酒の輸出への影響は避けられないとします。

県酒造組合 桝田隆一郎会長 
「富山県酒造組合の中でもアメリカの輸出が始まったばかりでどんどん伸びている蔵がすごく多いんですね。アメリカがやっぱり世界の日本酒ブームを引っ張ってくれている大きいポジションなんですよ、そこがこういうところっていうのはどうしてもかなり影響がどうしてもあります」

桝田会長は価格が上がっても飲みたいと思ってもらえるようなブランド力の強化に加え、国内の需要を掘り起こしていく必要があるとしました。

「アメリカは一番大事なマーケットなんで、値上げを乗り越えるようにラベルを変えるとか瓶を変えるとかもう少し高く売れるようにちゃんとブランディングを考えるのが大事だと思いますし、日本をもう一度見直して日本の方々に日本酒をもう一度飲んでもらうというの両建てだと思っています」

吉田記者
「相互関税の発表を受けて、県内企業からは早くも相談が寄せられているということです」

JETRO(じぇとろ)=日本(にほん)貿易振興機構の富山市にある事務所では、今回の発表を受けて相談窓口を設置していて、県内の食品メーカーなどからすでに問い合わせがあるということです。

JETRO富山村上久所長
「発表を受けてお問い合わせを4件ほどいただいているが、いずれも自社製品に対して措置の影響がどのような関税率なのかという問い合わせです」

また、JETROのほか、全国の商工会議所や日本政策金融公庫なども相談窓口を設置して対応にあたっています。

「一律すべての品目(が課税対象)ということなので、非常に大きな影響があると思う。私どもJETROも状況をきちんと把握して、皆さまに情報提供できるようにしていきたい」

一方、県もアメリカの関税措置の影響を受ける中小企業の資金繰りを支援するため相談窓口を設置しています。

平日の午前8時半から午後5時15分まで受け付けていて、県の融資制度などについて相談することができます。

最終更新日:2025年4月4日 11:07
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