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富山県の人口減検証 就労人口が減る中 外国人労働力の受け入れは

2024年5月9日 20:05
富山県の人口減検証 就労人口が減る中 外国人労働力の受け入れは

富山県の推計人口が100万人を割ったことを受けて、エブリィでは人口減少に関する課題をシリーズでお伝えしています。3回目は、仕事に就く世代の減少に伴う外国人労働力の受け入れについてです。

富山市にある鉄工所では、ベトナム人11人を受け入れています。技能実習生として働くコアさんは、溶接を担当しています。

コアさん
「お仕事は楽しいです ちょっと難しいですが、面白いです」

人口減少をめぐって、大きな課題とされるのが社会を支える働く世代の減少です。

県の人口がピークだった1998年、15歳から64歳の世代は74万人余りで全体の65%を占めていました。しかし去年は55万人余りで割合は55%にまで落ち込みました。今後、2050年には半分を割り込むと推計されています。

取材した鉄工所では、中小のメーカーは特に外国人労働力に頼らざるを得ないといいます。

コンチネンタル 庵谷邦夫総務部長
「製造業でうちのランク(規模)というのは、なかなか人を集めにくいランクで。基本的には思うように人材が採れないのが一番の原因ですよね」

県内で雇用されている外国人は去年、1万3427人。年々、増加傾向にあります。

外国からの人材活用について4月の会見で新田知事は「労働人口が人口減少のスピード以上に落ちている。外国人材も富山県に暮らし、学び、生き、あるいは恋をし、子どももできてというような普通の隣人として、多様性の一つとして受け入れていく。まずはそういうようなことの是非だというふうに思います」

しかし、大きな課題も立ちはだかっています。

富山短期大学 小平達夫准教授
「2つの競争があります。1つ目は日本と世界の競争ですね。2つ目の競争が都会と地方の競争です。ですので このダブルの競争に打ち勝っていかなくてはいけないってことです」

日本は、賃金レベルの低下、さらにこのところの円安などから、外国人材に選ばれにくい国になりつつあります。

国は、これまでの技能実習制度に代わり「人材確保」も目的とする「育成就労制度」の法案を作成し、現在、国会で審議されています。

新たな制度では、本人の意向で働き先を変更できるよう制限の緩和を盛り込んでいます。

企業などからは、条件の良い都市部に県内から人材が流出するという懸念の声があがっています。

永住も可能となる在留資格「高度専門職」で富山市の鉄工所で働くベトナム人のチウさん。このところ、気になることがあります。

質問:円安が気になりますか
チウさん
「なりますね。みんな日本にお金のために来てますね。大変と思います」

待遇は正社員で日本人と同じですが、将来は帰国することを考えています。

チウさん
「(永住は)ちょっと難しい。お母さんは高齢で、友達もいなければさみしい」

一方、現在のままでは永住はできない在留資格「特定技能」のラムさんは、これからも富山で住み続けたいと話します。

ラムさん
「日本でずっと働こうと思っています。山とか海が近く、景色がきれいだから」

就労人口の減少が全国で広がる中、外国人労働力の確保も競争が激しさを増しています。

外国からの人材に選ばれるためには、企業に限らず地域として受け入れる体制や意識を持っていくことが大切といえそうです。

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