子宮頸がんなど予防のHPVワクチン 富山県内の大学で集団接種
子宮頸がんなどを予防するHPVワクチンをめぐり、接種の機会を逃した人のための「キャッチアップ接種」の取り組みです。富山県医師会と県内の大学が連携して、学生への集団接種を行っています。
29日は富山大学五福キャンパスで集団接種が行われ、およそ80人の学生が次々と訪れました。
子宮頸がんなどは、性的接触を通してHPV=ヒトパピローマウイルスに感染し発症するとされています。
この感染を防ぐのがHPVワクチンで、公費で受けられる定期接種は、小学6年生から高校1年生にあたる女子を対象に、2013年4月に始まりました。
しかし、接種による痛みなどが報告され、国が接種を勧める「積極的勧奨」は、2か月で中止されました。
おととし再開されるまでの9年間に機会を逃した女性に対し、公費で「キャッチアップ接種」が行われています。
ワクチンは半年間に3回打つ必要があり、キャッチアップ接種の期限が来年3月までのため、公費で受けるには1回目を今年9月末までに打つ必要があります。
このため県医師会は、県内の大学と連携して今年度、集団接種を行っています。
県内出身の学生 19歳「今まで面倒くさかったので後回しにしていて、大学で受けるとなったら申し込むだけだから簡単だなと思って」
県外出身の学生 21歳「両親が地元にいるので注射打った後とかの症状を考えると地元で打った方がいいという考えはあったが、身近な大学で受けられるというのが一番大きかった」
県医師会は、学生とシンボルマークを作って接種を呼びかけています。
集団接種は富山大学と富山県立大学の4つのキャンパスで、7月にかけて合わせて300人以上が1回目を接種する予定です。
ヒトパピローマウイルスは、中咽頭がんなど男性のがんも引き起こすとされていて、東京都などでは、男子を対象に接種費用を助成する制度も始まっていますが、富山県ではまだ助成されていません。