富山大の学生が啓発に一役 HPVワクチン「キャッチアップ接種」呼びかけ
子宮頸がんなどを防ぐHPVワクチンをご存知でしょうか。
1997年度から2006年度生まれの対象者は「キャッチアップ接種」を無料で受けることができて、県内の大学生が啓発のためのシンボルマークを作りました。
HPVワクチンの接種を呼びかけるシンボルマークです。
デザインとキャッチコピーを考えたのは、富山大学の学生たち。
県から委託を受けた県医師会が、 富山大学に制作を依頼しました。
「子宮ちゃんというそのままなんですけど。呼びやすい、愛嬌を持っていただけるようなネーミングにしました」
子宮頸がんや中咽頭がんなどは、性的接触を通してHPV=ヒトパピローマウイルスに感染し、発症するとされています。
子宮頸がんは、若い世代がかかるのが特徴で、妊娠、出産、育児、そして命に大きな影響を及ぼします。
このウイルスの感染を防ぐのが、HPVワクチンです。
定期接種は、2013年4月に小学6年生から高校1年生に相当する女子を対象に始まりました。
しかし、接種後の痛みや運動障害などの報告が相次いだことから「積極的勧奨」は一時、中止に。
その後、安全性について特段の懸念が認められないなどとして厚生労働省は2022年4月、積極的勧奨を再開しました。
ワクチン接種の機会を逃した1997年度から2006年度生まれの対象者は「キャッチアップ接種」を無料で受けることができますが、対象者にも十分に知られていません。
「知らなかった。お母さんに接種券があるらしいから探してというところから」
「全然知らなかった。今打たないと10万円が(必要)とか、もしかしたら20代で命の危険が、とかそういう可能性があるんだというのがそもそも頭になかった」
文部科学省は県教育委員会などに対し、啓発に協力するよう求めています。
富山市で開かれた研修会では、学校薬剤師がHPVワクチンの医学的な効果や接種率が低い日本の現状などを学びました。
富山市学校薬剤師会 会長 富山県学校薬剤師会 副会長 勝島恭子さん
「子どもたちが安心して自分で接種を決められるように情報提供できるのではないかなと思います」
キャッチアップ接種の期限は、2025年3月末まで。打ち終わるのに半年かかるため、公費で無料で打つには、1回目を2024年9月までに済ませる必要があります。
学生たちは、キャッチコピーに切実な思いを込めました。
「子宮が危機であるととらえて、子宮ちゃんが本当に助けてほしいという思いを持っているというふうにしたいと」
県医師会は、「子宮ちゃん」を掲載した啓発リーフレットを高校に配布し、進学などで県内を離れる前の接種を呼び掛けるほか、大学での集団接種を検討しています。