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【なぜ】大学施設に企業名 広がる命名権

2025年2月14日 21:06
【なぜ】大学施設に企業名 広がる命名権

国からの交付金が削減される中、独自に財源を確保しようと、国立大学で大学内の施設の命名権を民間企業に売り出す動きが広がっています。

取り組みを進める大学の現状と命名権を取得した企業の狙いを、神林記者が取材しました。

大学と大学院合わせて9000人あまりが学ぶ富山大学です。

神林記者「こちら学生が思い思いの時間を過ごすラウンジなんですが、入ってみますと目に付くのが壁面に描かれた企業紹介です」

壁一面に紹介されているのは、滑川市に本社を置く産業機械メーカーです。

この学生会館のラウンジの命名権を取得し業務内容や技術力をアピールしています。

富山大学は、近年キャンパス内の施設の命名権を民間企業に売り出す事業に取り組んでいます。

契約した企業は、その施設に企業やその愛称、ブランド名などを名づけることができます。

初年度の去年は学生会館のラウンジのほか、イベントなどに使うホール、そして図書館の学習スぺースでそれぞれ契約を結びました。

学生「何しているかといわれるとここに書かれているほどわかっていなかった 知る機会になりますね」

こうした取り組みは全国の国立大で広がっています。

背景には、大学の置かれた厳しい財政状況があります。

富山大学 武山良三理事・副学長「いろんな手立てを講じてですね、やはりその運営資金を確保していくということが大きな課題になっております 授業料を値上げするのかというようなことも話題になっていますよね。実際、本学でもそういったことを検討せざるを得ない、そういうような状況にもなってきてますので」

国立大の経営を支える国の「運営費交付金」は年々減少しています。

富山大学では当初の145億円余りから、2022年度は127億円余りに減りました。

安定した収入源を確保する重要性が増しています。

富山大学 武山良三理事・副学長「もちろんお金だけの話じゃないので、いわゆる大学の価値と地域の価値がうまくミックスして、で、それがまた地域の魅力に繋がっていくと それをうまく運営するための資金、あるいは仕組みとしてこのネーミングライツ事業というものが 関わっていければいいかなと」

富山市のIT企業、日本オープンシステムズです。

先月、食堂のネーミングライツ契約を結びました。

知名度の向上や採用活動への好影響などを期待しています。

日本オープンシステムズ 園博昭社長「会社として採用を考えたときに日本オープンシステムズって会社を学生さんたちに知ってもらわないといけないわけで 普段学生さんも使うところだし、認知度を拡大したいということにも適応するしということで」

また、大学と連携し地域貢献などにもつなげたいとします。

「新たに学生さんたちとの結び付きがひろがる 採用につながっていくということはもちろんですけど、学生さんたちを含めたいろいろな研究活動とかそういったものにつながっていくのではと 期待ができるんじゃないかということを考えております」

命名権事業では、これまでに合わせて6社が権利を取得しました。富山大学は引き続き、この取り組みを広げていきたいとしています。

最終更新日:2025年2月14日 21:06
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