境内から高さ5メートル、重さ2トンの山車を落とす…山口県無形民俗文化財“本山神事” 4年ぶりに開催~山口・周南~
境内から手作りの山車を落とし豊作を占う県の無形民俗文化財=「本山神事」が24日、周南市で行われました。
周南市の山﨑八幡宮、参道に置いてあるのが本山と呼ばれる山車です。
本番を控えた朝、山車の乗組員たちが最終チェックや飾り付けの作業をしていました。
クズのカズラだけで丸太を結ぶ本山は、高さは5メートル重さは2トンに達します。
今年、本山に乗るのは8人。その中の1人、徳本信治さん70歳は、28年間に渡り本山神事に携わってきました。
(徳本信治さん)
「ええのお、久しぶりに本当気持ちがええ3年間出来なかったからね出来ないのが当たり前になってしまっていた」「こういう事が出来るのが本当にありがたいし素晴らしい」
午後7時半前、本山がスタート。進路を調整しながら100人以上の裸坊たちが引っ張り境内を目指します。
本山神事は稲の穂が鳥や台風の被害にあわないよう祈願するものです。300年以上の歴史があると言われていて県の無形民俗文化財にも指定されています。
新型コロナの影響で4年ぶりとなった神事をみようと多くの人が集まりました。
移動を始めてからおよそ1時間、本山が境内に到着、祝詞奏上や舞の奉納など神事が執り行われました。
そしてついにそのときがやってきました。
勢いよく落とされた本山。その上に取り付けられている御幣や御神松は手に入れると御利益があると言われています。
(御幣を手に入れた男性)
「僕の父と父のいとこが昔取っているのをみて自分も取りたいという思いがあったのですごく安心したのと嬉しい家族もいるのでみんなが幸せな一年になれば」
(徳本信治さん)
「これがどんだけ素晴らしいかを見ると分かると思うのでよかったですまた来年も楽しい奉納が出来るように頑張りたい」
本山の落ちた傾きで豊作が占われますが慣例により明らかにされないことになっています。