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春の全国交通安全運動4年に一度5月なぜ?「本来の趣旨にそぐわない」南さつま市の協議会が決議書採択

2024年3月18日 18:47
春の全国交通安全運動4年に一度5月なぜ?「本来の趣旨にそぐわない」南さつま市の協議会が決議書採択

(内田直之アナウンサー)
 こちらは去年と今年の春の全国交通安全運動のポスターです。似たような構図に見えますが後ろの木が、満開のサクラと新緑になっているのが違いますね。実は統一地方選挙がある年は実施期間が1か月間違うんです。

(園田貴央アナウンサー)
 これでは本来の趣旨にそぐわないので毎年、入学の時期に行うべき。全国的にも珍しい決議を南さつま市が採択しました。

 南さつま市で18日に行われた交通安全対策会議。約70人が出席して話し合われたのは、春の全国交通安全運動の実施時期についてです。

 毎年4月に行わているかと思いきや、実は4年に一度、統一地方選挙がある年は1か月遅れの5月に行われているんです。

(南さつま市交通安全市民運動推進協議会 本坊 輝雄 会長)
「統一地方選に限らず、毎年入学式があるわけですので、特に新入生を守らなければならない」

 警察庁の資料をもとに政府がまとめた2018年から2022年に歩行中に交通事故に遭い死傷した小学生の数です。1年生は6年生の3.2倍となっています。

 春の交通安全運動の目的の1つが、入学したばかりの小学1年生など子どもの安全を守ることです。

 去年と今年のポスターを見比べても、横断歩道を渡る黄色い帽子の子どもが中心にある画の構図は変わりません。しかし、今年は満開のサクラが描かれているのに対し、統一地方選挙が行われた去年は新緑になっています。

 街の人は…。

(保護者)
「(5月の実施は)知らなかったです。4月にしてほしいですよね。初めて学校に通う時に合わせてしていただいた方が、子どもも親も意識は上がるんじゃないか」
「小学校に上がる息子もいますし、この(4月の)期間でやってもらえればありがたい」

 そもそもなぜ、統一地方選挙がある年だけ5月に行われるのでしょうか。内閣府によりますと、「統一地方選挙と春の全国交通安全運動を同じ時期に行うと、自治体の負担が増えるため時期をずらして実施していた」といいます。ただ、去年5月に実施した際には「本来の趣旨からすると毎年4月に行うことが大事ではないか」との意見も受けたということです。

 南さつま市の協議会が採択した決議書では、5月の実施では通学に不慣れな児童への配慮が足りず、交通安全運動の趣旨にそぐわないとし、毎年4月の入学式のタイミングで行うこととしています。

(南さつま市交通安全市民運動推進協議会 本坊 輝雄 会長)
「ぜひ県民の皆さんにもご理解いただき、中央の交通安全会議の組織があると聞いていますのでその中でしっかりと受け止めていただきたい」

 全国的に見ても珍しいという今回の決議書。今後、県交通安全県民運動推進協議会に提出し、国へ働きかけを行うよう要望するとしています。