【特集】20年目!村井知事に聞く「時には批判を受けながらも政策を進める理由は?」単独インタビュー〈宮城〉
11月で残る任期があと1年となる村井知事。
病院の再編計画や宿泊税の導入など、ときには県民から批判を受ける政策も進めてきたが、知事就任から20年目を迎えたいま、単独インタビューを行った。
村井知事
「こんにちは。よろしくお願いします」
村井嘉浩知事、64歳。
宮城県知事として5期目、11月で就任から20年目に入った。
去年、全国知事会長にも就任し、都道府県の代表として国に対して物申す立場も担っている。
全国知事会長 村井嘉浩知事
「ぜひとも恒久的な措置として行うならば、我々の財政措置も恒久的な措置としてしっかりと手当をしていただかなければ困ります」
今週、いわゆる「103万円の壁」について、所得向上に賛成する一方で地方の税収を減らさないよう政府に強く求めた。
村井知事は2005年、県議会議員3期目の途中に立候補し、初当選を果たした。
1期目には知事としての抱負をこのように語っていた。
村井知事(2006年の映像)
「行動力です!立ち止まって失敗するより前に行って失敗したほうがいいというのが私の考え方で、職員には前へ前へ行こうと前に行って失敗したら私が責任を全部取る」
「行動力」をモットーに、県内への企業誘致を行うための財源とする「みやぎ発展税」を導入し、トヨタなど複数の企業を誘致した。
そして2011年、東日本大震災によってかつてない被害に見舞われると、「創造的復興」を掲げて復旧・復興の陣頭指揮をとった。
ときに住民の批判を受けながらも、沿岸部の防潮堤の建設など災害に強いまちづくりを進めた。
村井知事
「なぜ防潮堤を急いだかと言いますと防潮堤ができなければその背後にあるまちをどのように作ればいいか決まらないから」
5期目も残り1年となった今、村井知事が進めるのは「4病院再編計画」。
村井知事
「これから人口も減っていく中で、非常に経営が厳しくなってきている。10年20年すると病院が淘汰される時代が来るだろうとそれを予見してまず病院を適正配置するべき」
仙台赤十字病院と県立がんセンターについては、統合して、名取市に移転することで合意。
その一方で、県立精神医療センターと東北労災病院についての協議は難航した。
そして今月…
村井知事
「県立精神医療センターを名取市内で建て替える方向で検討を進めてまいります」
県立精神医療センターを富谷市に移転する当初の計画からの方針転換を発表した。
そして、先月議会で可決された「宿泊税」については、知事自ら将来のインバウンド獲得のために必要な税金と訴えますが、「説明不足」との声もあがった。
説明会の参加者
「反対です。なぜか。社員にものすごい負担をかけるストレスをかける」
ちょうどこのころ、衆院選に合わせてミヤギテレビが実施した世論調査の結果。
村井知事の政策については「評価する」と「評価しない」がともに「4割弱」と、拮抗する結果となった。
県がどの方向に進むのか、予算や条例など知事の政策をチェックする役割を担う県議会。
県議会 高橋伸二議長
「議員側の意見も真摯に耳を傾けてくれるし宿泊税についても当初提示された内容からは大幅に議員の主張に寄り添ってもらっている」
一方、県議会の野党最大会派「みやぎ県民の声」の坂下賢会長です当選回数を重ねたいま、村井知事は政策の進め方に強引さが目立ってきたという。
みやぎ県民の声 坂下賢 会長
「トップダウン形式の非常に強引な姿勢が強くなってきていると思う。だんだん当選を重ねるに従ってそういうのが強くなってきているのでは。ものごとを決めてから説明するというのが今までのやりかたになってました。やっぱり改めてもらいたい」
県民から批判を受けることもあるなか、なぜ政策を推し進めるのか。
その真意について、村井知事は次のように語った。
村井知事
「私、松下政経塾の出身なんですけど松下幸之助さんが政治は経営だと。税金をいくらでもいただければいいということはなくて、なるべく税金を使わないような小さな政府、小さな行政」
県の支出を減らし民間の力を活用しながら将来への投資を進める「小さな政府」を目指してきたという村井知事。
将来を見据える政治姿勢はときに県民のいまの生活に負担を強いるようにも映る。
それでも、そのスタンスを変えることはないと語った。
村井知事
「私もバカじゃないので、病院問題に首突っ込んだら大変だ、批判される、重々わかっていたし、宿泊税もやらなければ別に誰もわからないやっぱり今後の日本の将来、宮城の将来を考えたら批判を受けてもやらなければ、やれるのは知事じゃないとできない。一歩先に手を打とうと思うとどうしても説明不足と批判を受けてしまうこれはやむをえないですけどじくじたるものがある」
Q6期目というのは?
「まだわかりません」
Q国政というのは?
「まだわかりません」