強い信仰心で籠城…浮かびあがる一揆の一幕 「原城跡」で鉛製の十字架などキリシタン遺物続々《長崎》
南島原市の原城跡でおよそ400年前の「島原・天草一揆」にまつわる新たな史料が見つかりました。報道陣向けの報告会で23日、市が発表しました。
世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つとして知られる「原城跡」。
南島原市は23日、報道陣向けに発掘調査の成果を報告しました。およそ400年前、農民やキリシタンが江戸幕府の軍と攻防戦を繰り広げた「島原・天草一揆」。
城内「二ノ丸」と呼ばれる拠点跡で見つかったのは・・・。
(南島原市教育委員会 伊藤健司参事)
「今回初めて、籠城をした施設の中で火をたいた痕跡が見つかりました」
地面を掘り込んだ竪穴の跡。その内側では火を焚く炉のような遺構が確認されました。
一帯では、砲弾状の鉛の塊のほか、それを溶かして作ったとみられる鉛製の十字架やコインといった
キリスト教の信心具などが見つかっていることから、一揆勢が、キリスト教への強い信仰心をもって戦っていた姿が浮かび上がります。
さらに別の竪穴跡からは、漁業で使ったと考えられる引き網のオモリも見つかっています。
(南島原市教育委員会 伊藤健司参事)
「新たなことがどんどんわかってくるように、まだこれからすごくポテンシャルがある遺跡だと思う。皆さんの歴史に対する理解が深まるように整備活用にもつなげていきたい」
南島原市教育委員会は28日に原城跡で市民向けの現地説明会を行うということです。