ミャンマーの詐欺拠点は“中国の街” 日本人も“監禁”か…20人超どこに?【バンキシャ!】
ミャンマーの国境地帯にある、中国系犯罪組織の拠点。日本側はタイ当局に、日本人男性2人の救出を要請しています。解放の動きが進む一方で、日本人はどこに、どれだけ監禁され、詐欺に加担しているのか…。拠点の周辺を徹底調査しました。【バンキシャ!】
◇
建物の入り口には、「2月3日 盛大にオープン」、通りにあるゲートには、「安全な旅を」と書かれていた。
一見、犯罪組織の拠点には見えない場所だ。リゾートホテルのような建物の前には、人だかりができていた。
撮影した男性
「ここはいわば“中国の街”で、中国人ばかりです。特殊詐欺をやっている場所がたくさんあります」
ミャンマー国境地帯にある犯罪組織の拠点。
いまも日本人を含む1万人以上の外国人が監禁され、詐欺行為に加担させられているとみられている。
日本側はタイ当局に対し、20代と30代の男性の救出を要請したという。解放の動きが進む一方で、日本人は、どこにいるのか―。
◇
バンキシャ!は、“詐欺拠点”の周辺を徹底取材。日本人の居場所に迫った。
富永大介 記者 NNNメソト
「何人か人がいますね。多いですね。何をしているんだろう…」
22日、私たちは、ミャンマーとの国境に接するタイ・メソトへ。
富永記者
「向こう側に詐欺拠点が多いとされる地域が広がっています。ここがKKパークです」
細い川を越えた先がミャンマー。そこに“詐欺拠点”のひとつとされる、「KKパーク」が広がっている。私たちは、タイ側からの撮影を試みた。
そこには、ミャンマーの少数民族の武装勢力、「国境警備隊」とみられる兵士の姿が確認できる。
すると突然、兵士たちに動きが。慌ただしく走る兵士も。およそ1分後。
富永記者
「多くの人たちが出てきました」
建物から続々と人が出てきた。服装は半袖に短パン…とても軽い装いだ。
富永記者
「あ、どんどん乗り込んでいっています…かなりの数ですね、100人以上はいると思うが、監禁されていたとみられる人たちが車の後ろに乗り込んでいます」
タイメディアによるとこの日、国境警備隊がKKパークに突入。監禁されていた人々を解放したとみられる。ただその中に、日本人が含まれているかは、わかっていないという。
◇
解放の動きはシュエコッコにある別の詐欺拠点でも。内部の映像をバンキシャ!が入手した。
拠点内部とされる映像
「帰国したい者は全員手を挙げて」
「家に帰りたくない、ここに残りたい者は?」
帰国の意思を確認されると…
「まず部屋に入って座って!取るのはあとでも大丈夫!」
解放を待つ人々が手に取ったのは、1枚の紙。詐欺に加担したきっかけ、詐欺の内容、虐待の有無などを調査するアンケートだった。
名前や住所、生年月日。パスポート番号や、両親の名前と住所まで書くようになっている。その下にいくつかの質問が。
――どうやってこの仕事を知った?
「だまされて来た」
――(隣国の)タイまではどのようなルートできた?
「中国の広州から飛行機に乗ってバンコクに行き、そのあと連れていかれた」
こうしたアンケートで、実態を調査したうえで、人々は母国へと引き渡されたとみられている。
映像を撮影したカメラマン
「シュエコッコに日本人がいると言われていましたが、解放された中に日本人は含まれていませんでした」
現地で確認したリストに、日本人らしき人物は含まれていなかったという。
では、20人以上監禁されているとみられる日本人はどこにいるのか。行方を追った。
まず、シュエコッコにある特殊詐欺の拠点とみられる場所を望遠カメラで狙う。(タイ側から撮影)
富永記者
「ズームズーム…ベランダですかね、人影が見えます」
「いっぱいいますね、外国人のように見えます。ずっと座っていたのか、体を伸ばしたり体操をしています」
ほかにもたばこを吸っているような人や、麺のようなものを食べる人の姿も…。夜になると。
富永記者
「何人か、人がいますね。多いですね。何をしているんだろう。結構、人がいます」
この“拠点”に、日本人はいるのだろうか。
タイと川を隔てた場所にある、ミャンマー・シュエコッコ。特殊詐欺の拠点があるとみられる場所の周辺で、バンキシャ!が、日本人について聞いてみると、4か所から話を聞くことができた。
車関係の修理会社は、過去に拠点から客が来たというが…
「外国人は見るが、大半が中国人で日本人はいない」
衣料品店と薬局では…
「ミャンマー人しか見ていない」
2週間前に、拠点があるとみられる区画に入ったという携帯の修理業者も…
「日本人は見たことがありません。ただ、大勢いたので、もしかしたらいたかもしれませんが…」
さらに、摘発が相次いだことで、街にはある影響が出ていた。
携帯電話修理業者
「2週間ほど前から解放の動きが強まって人が減り、商売がうまくいかなくなりました」
犯罪組織の影が薄くなり、経済が落ち込んだという。“拠点”には、いまだ20人以上の日本人が監禁されているとみられ、日本とタイ当局は、身元の割り出しを急いでいる。
また、ミャンマー国境警備隊は、2月末までに、特殊詐欺の拠点を一掃する予定だという。
(2月23日放送『真相報道バンキシャ!』より)
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建物の入り口には、「2月3日 盛大にオープン」、通りにあるゲートには、「安全な旅を」と書かれていた。
一見、犯罪組織の拠点には見えない場所だ。リゾートホテルのような建物の前には、人だかりができていた。
撮影した男性
「ここはいわば“中国の街”で、中国人ばかりです。特殊詐欺をやっている場所がたくさんあります」
ミャンマー国境地帯にある犯罪組織の拠点。
いまも日本人を含む1万人以上の外国人が監禁され、詐欺行為に加担させられているとみられている。
日本側はタイ当局に対し、20代と30代の男性の救出を要請したという。解放の動きが進む一方で、日本人は、どこにいるのか―。
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バンキシャ!は、“詐欺拠点”の周辺を徹底取材。日本人の居場所に迫った。
富永大介 記者 NNNメソト
「何人か人がいますね。多いですね。何をしているんだろう…」
22日、私たちは、ミャンマーとの国境に接するタイ・メソトへ。
富永記者
「向こう側に詐欺拠点が多いとされる地域が広がっています。ここがKKパークです」
細い川を越えた先がミャンマー。そこに“詐欺拠点”のひとつとされる、「KKパーク」が広がっている。私たちは、タイ側からの撮影を試みた。
そこには、ミャンマーの少数民族の武装勢力、「国境警備隊」とみられる兵士の姿が確認できる。
すると突然、兵士たちに動きが。慌ただしく走る兵士も。およそ1分後。
富永記者
「多くの人たちが出てきました」
建物から続々と人が出てきた。服装は半袖に短パン…とても軽い装いだ。
富永記者
「あ、どんどん乗り込んでいっています…かなりの数ですね、100人以上はいると思うが、監禁されていたとみられる人たちが車の後ろに乗り込んでいます」
タイメディアによるとこの日、国境警備隊がKKパークに突入。監禁されていた人々を解放したとみられる。ただその中に、日本人が含まれているかは、わかっていないという。
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解放の動きはシュエコッコにある別の詐欺拠点でも。内部の映像をバンキシャ!が入手した。
拠点内部とされる映像
「帰国したい者は全員手を挙げて」
「家に帰りたくない、ここに残りたい者は?」
帰国の意思を確認されると…
「まず部屋に入って座って!取るのはあとでも大丈夫!」
解放を待つ人々が手に取ったのは、1枚の紙。詐欺に加担したきっかけ、詐欺の内容、虐待の有無などを調査するアンケートだった。
名前や住所、生年月日。パスポート番号や、両親の名前と住所まで書くようになっている。その下にいくつかの質問が。
――どうやってこの仕事を知った?
「だまされて来た」
――(隣国の)タイまではどのようなルートできた?
「中国の広州から飛行機に乗ってバンコクに行き、そのあと連れていかれた」
こうしたアンケートで、実態を調査したうえで、人々は母国へと引き渡されたとみられている。
映像を撮影したカメラマン
「シュエコッコに日本人がいると言われていましたが、解放された中に日本人は含まれていませんでした」
現地で確認したリストに、日本人らしき人物は含まれていなかったという。
では、20人以上監禁されているとみられる日本人はどこにいるのか。行方を追った。
まず、シュエコッコにある特殊詐欺の拠点とみられる場所を望遠カメラで狙う。(タイ側から撮影)
富永記者
「ズームズーム…ベランダですかね、人影が見えます」
「いっぱいいますね、外国人のように見えます。ずっと座っていたのか、体を伸ばしたり体操をしています」
ほかにもたばこを吸っているような人や、麺のようなものを食べる人の姿も…。夜になると。
富永記者
「何人か、人がいますね。多いですね。何をしているんだろう。結構、人がいます」
この“拠点”に、日本人はいるのだろうか。
タイと川を隔てた場所にある、ミャンマー・シュエコッコ。特殊詐欺の拠点があるとみられる場所の周辺で、バンキシャ!が、日本人について聞いてみると、4か所から話を聞くことができた。
車関係の修理会社は、過去に拠点から客が来たというが…
「外国人は見るが、大半が中国人で日本人はいない」
衣料品店と薬局では…
「ミャンマー人しか見ていない」
2週間前に、拠点があるとみられる区画に入ったという携帯の修理業者も…
「日本人は見たことがありません。ただ、大勢いたので、もしかしたらいたかもしれませんが…」
さらに、摘発が相次いだことで、街にはある影響が出ていた。
携帯電話修理業者
「2週間ほど前から解放の動きが強まって人が減り、商売がうまくいかなくなりました」
犯罪組織の影が薄くなり、経済が落ち込んだという。“拠点”には、いまだ20人以上の日本人が監禁されているとみられ、日本とタイ当局は、身元の割り出しを急いでいる。
また、ミャンマー国境警備隊は、2月末までに、特殊詐欺の拠点を一掃する予定だという。
(2月23日放送『真相報道バンキシャ!』より)
最終更新日:2025年2月24日 10:43