インフルエンザ流行拡大に新型コロナも患者数増加 年末年始は「感染予防」対策を《長崎》
インフルエンザの流行が拡大しています。県内の患者数は5週連続で増加していて、県は19日、「流行注意報」を発表しました。
新型コロナウイルスの患者数も増加していて、専門家は年末年始にかけて、さらに増える可能性もあるとして対策を呼びかけています。
県によりますと、15日までの1週間に県内70の定点医療機関で確認されたインフルエンザの感染者数は1171人で前の週の2倍以上に増加しました。
1つの医療機関あたりでは16.73人で、5週連続で増加。
注意報レベルである「10人」を超えたことから県は19日、県全域に「インフルエンザ流行注意報」を発表しました。
地域別にみても「県央で22.64人」「県南で21.25人」「長崎市で20.47人」など、五島市や上五島を除いてほとんどの地域で注意報レベルを超えています。
年代別の割合では、10歳未満が45.7%と半数近く、10代も30%と子どもの感染が多くなっていて、先週1週間では県内14の学校などで学級閉鎖などの措置がとられています。
(長崎大学病院感染制御教育センター 泉川 公一教授)
「(先週発表の)定点あたりで、インフルエンザが全国で9人くらい。長崎でも増え始めているので、年齢関わらず増えていく可能性はある。
コロナと一緒でインフルエンザも、高齢者には特段の脅威になる可能性があるから心配している」
長崎大学病院感染制御教育センターの泉川 公一教授は、年末年始にかけて患者数はさらに増える可能性があると懸念を示しました。
加えて「新型コロナウイルス」も、定点あたり3.37人と6週連続で増加しています。
(長崎大学病院感染制御教育センター 泉川 公一教授)
「(新型コロナは) 過去4、5年見ても、年末年始に人が集まって1月に増えている。
(今年は) 12月の中旬ぐらいで増え始めているので、これから人が集まる機会が増えるから感染が増えていく可能性は非常に高い」
新型コロナウイルスは、今年10月から65歳以上の高齢者などを対象にしたワクチンの定期接種が始まりましたが、接種していない人が多いことから、泉川教授は「重症化し、入院が必要になる患者が増えるのでは」と指摘します。
(長崎大学病院感染制御教育センター 泉川 公一教授)
「高齢者に助成が出たり、積極的に打ってほしいという国の方針はあるが、これまでのようにはあまり打てていない。
接種率が低いので、もしかすると新型コロナによって入院する高齢者は増えるかもしれない。そこにインフルエンザもあるから医療機関は警戒すると思う」
一方、国は来年4月から「急性呼吸器感染症」いわゆる“普通のかぜ”を「5類」の感染症に加えることを決めました。
新型コロナやインフルエンザなどと同じく、定点医療機関で発生状況を把握することで、新たな “呼吸器感染症” にいち早く対応することを目的としています。
患者の医療費などは、これまでと変わらないそうです。
(長崎大学病院感染制御教育センター 泉川 公一教授)
「風邪というのは複数の色々なウイルスで起きているが、コロナのように突然『新型ウイルス』が出てくることがあるから、日本で何が起きているのかしっかりフォローして、有事に備えようという方向性にあるのでは」
年末年始にかけて懸念される「インフルエンザ」と「新型コロナウイルス」の感染拡大。
忘年会などで人が集まる機会が増えるほか、旅行、帰省などで移動することも多くなるため、泉川教授はそれぞれの状況に応じて対策を考えながら「感染予防」を意識した行動を心がけてほしいと呼びかけます。
(長崎大学病院感染制御教育センター 泉川 公一教授)
「年末に向かって感染拡大が起こる可能性は非常に高い。これまでの経験では、病院に患者がたくさんいることになって、中には満床になってしまったいうこともあるので、必要であればマスクをつけたり、外出を控えたり、普段から手をしっかり洗うとか、感染対策に対して意識を向けていただく。
“自分を自分で守る” という意識でやってほしい」