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諌早湾干拓事業「開門認めず」司法判断統一 最高裁が漁業者側の上告退ける《長崎》

2024年4月26日 20:55
諌早湾干拓事業「開門認めず」司法判断統一 最高裁が漁業者側の上告退ける《長崎》

県内の漁業者が国に諌早湾干拓事業の開門を求めた第2陣、3陣の裁判で、最高裁は24日付で漁業者側の上告を棄却しました。

諌早湾干拓事業を巡っては、1997年の潮受け堤防の閉め切りで漁業不振になったとして、長崎と佐賀の漁業者が国を相手に開門を求めて提訴し、一方で、干拓地の営農者らがこの差し止めを求めて裁判を起こしました。

裁判はその後、「開門」と「非開門」という相反する判決が確定。

去年3月、福岡高裁は開門を求めた第2陣、第3陣の裁判で、堤防の閉め切りと漁業被害の関連を認める一方、開門で生じる農業被害などを理由に訴えを退けていました。

漁業者側はこれを不服として上告していましたが、最高裁は24日付の決定で棄却。

これにより「開門を認めない」司法の判断が事実上、統一された形となりました。

最高裁の決定を受け、坂本農林水産大臣は「諫早湾干拓事業を巡る一連の訴訟について関係省庁と連携しつつ適切に対応していく」とのコメントを発表。

原告弁護団の高峰 真弁護士は、NIBの取材に対し「審理が尽くされたとはいえず高裁判決を追認しただけの不当な判決だ」と話しました。