【大間マグロ漁船転覆】船長の遺体を弁天島で発見「帰ろうという気持ちが伝わった結果。見つかって本当に良かった」 漁船引き揚げ事故原因調査へ「こういうことがあったなと考えながら漁はしなければ…」
大間町沖でおとといマグロ漁船が転覆した事故で今日、不明となっていた船長の男性が発見されましたがその後、死亡が確認されました。
おとといマグロ漁に出た大間漁協所属の「第二十八光明丸」4.9トンは港に戻る途中連絡が取れなくなり、その後転覆した状態で発見されました。
この事故で乗組員の須藤愛教さん55歳が亡くなりました。
また行方不明となっていた船長の藤枝亮一さん70歳が、今日午前10時前大間町の弁天島の岩場で発見されましたが、その後死亡が確認されました。
きょうは大間町や周辺の町村北海道から140隻ほどの漁船が海に出て藤枝さんを捜索しました。
★大間漁協 小鷹勝敏 組合長
「(発見を受けて)気持ちがお互いに安心したというか
漁に出ればこういうことがあったなとみずから考えながら漁はしなければならない」
転覆した漁船は事故があった弁天島の沖合から東に39キロの場所に流されたため、いったん東通村の港に陸揚げされ大間町に運ばれます。
大間町史などによりますと、大間弁天島は本州最北端の大間崎から潮流の速い「クキド瀬戸」という水路をはさんで600メートルほどの沖合にある無人島です。
毎年4月には「さがさんじ」と呼ばれる300年以上前から続く豊漁祈願の伝統行事で、島にある弁天神社の本殿に漁師たちが大神楽を奉納します。
青森海上保安部によりますと、藤枝さんが見つかったのは弁天島にある大間埼灯台から北北西におよそ190メートルの海岸だったということです。
当時、現場の気象海象は北北東の風およそ3メートル、天候みぞれ、気温2度でした。
大間町の野﨑尚文町長は
「藤枝さんが帰ろうという気持ちが伝わった結果。見つかって本当によかった」
「漁師や消防団、近隣の町村の協力にお礼申し上げる」
と話していました。
19日、マグロ漁に出た大間漁協所属の「第二十八光明丸(こうみょうまる)」4.9トンが、入港予定だった午後5時を過ぎても戻らないと大間漁協が青森海上保安部に通報しました。
漁船にはいずれも大間町に住む船長の藤枝亮一(ふじえだ りょういち)さん70歳と乗組員の須藤愛教(すどう よしのり)さん55歳の2人が乗っていました。
須藤さんは午後9時10分ごろ大間埼灯台から東北東およそ3キロの海上で発見されましたが意識不明の状態で町内の病院に運ばれ、まもなく死亡が確認されました。
救命胴衣は着用していました。
現場の海域は当時、西北西の風約7メートル、波約1メートル、海水温度11度でした。
午後11時22分頃「第二十八光明丸」と見られる漁船が大間埼灯台から東北東およそ2キロほどの場所に船底が見えた状態で転覆しているのが見つかりました。
その後波と風が強くなり、発見位置から北東およそ5キロのところで視界不良により見失いましたが、民間船が見失った位置から南東におよそ17キロメートルの位置で再発見しました。
青森海上保安部によりますと、転覆船は東通村の尻屋岬港で陸揚げし、今後詳しい事故原因などを調べるということです。