佳子さま「自分とは異なる背景や状況に対する理解が深まることを願っています」 約6分にわたり手話を使ってお言葉を述べられる 全国高校生手話パフォーマンス甲子園開催 予選を勝ち上がった16チームが優勝を目指しパフォーマンス披露 鳥取県米子市
全国に先駆けて手話言語条例を制定した鳥取県で9月22日、全国高校生手話パフォーマンス甲子園が開かれました。
多くの人が詰めかけた鳥取県米子市の米子空港。出迎えの人の前に姿を現したのは、秋篠宮家の二女・佳子さまです。全国高校生手話パフォーマンス甲子園に出席するために鳥取県にお越しになりました。
訪れた人
「柔らかくて、かわいくて人柄がにじみ出ている感じがとてもしました」
米子空港を出発された佳子さまは、鳥取県伯耆町の「植田正治写真美術館」や米子市内の障害者支援施設を視察されました。21日の夜には、翌日行われる「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」の出場者などが出席した交流会に参加。手話を使い、生徒を激励されました。
米子東高 梅木唯さん
「こんな風に応援の手話をしていただいて、すごく明日やっぱ頑張ろうっていうふうに思いました」
手話パフォーマンス甲子園の当日。佳子さまは開会式で約6分にわたり、手話を使ってお言葉を述べられました。
佳子さま
「手話を含むさまざま言語、聞こえないこと、聞こえにくいこと、自分とは異なる背景や状況に対する理解が深まることを願っています」
今年で11回目となった「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」。今回から、「演劇・コント・ポエム等部門」と「ダンス・歌唱部門」に分かれ、全国から予選を勝ち上がった16チームが優勝を目指し、パフォーマンスを競います。出場校の中には、能登半島地震で被害を受けた石川県のチームの姿もありました。石川県立ろう学校と田鶴浜高校の合同チームで、震災後に届いた温かい思いを紹介。
合同チーム
「みんなの思いはつながっている」
「演劇・コント・ポエム等部門」では大会連覇を狙う熊本県の熊本聾学校が出場。そばの代金をごまかそうとする古典落語の演目「時そば」を現代風にアレンジしました。
一方、「ダンス・歌唱部門」では、去年に続いて2回目の出場となった大阪府の久米田高校が初優勝を目指します。ビートルズの「Let It Be」など洋楽2曲を使って、ありのままの自分が素晴らしいというメッセージを手話とダンスでダイナミックに表現しました。
また、山陰地方からは3校が出場。鳥取市の鳥取城北高校は、夢がない男が落ちていた鍵を拾い、そこから運命が変わっていく男の人生を描きました。
米子市の米子東高校は、「夢と希望」をテーマにした手話ダンスを披露します。初出場となった松江市の松江ろう学校。亡くなってしまった人が悲しむ家族へ送る言葉を思い描いて、自作の歌で会場に届けました。
米子東高校
「落ち込まないで君にまた出会えるまで。待っているから」
いよいよ結果発表。「演劇・コント・ポエム等部門」は熊本聾学校が連覇を達成しました。「ダンス・歌唱部門」は大阪府の久米田高校が初優勝を飾りました。
熊本聾学校 大塚温翔さん
「練習よりもいいパフォーマンスができたことが一番きょうの良かったところかなと思います」
久米田高校
「この3年間たくさんの方が支えて下さって、最後の大会で舞台上で恩返しすることができてほんとによかったです」
今年から2つの部門がつくられ誰でも参加しやすくなった手話パフォーマンス甲子園。全国に先駆けて手話言語条例を制定した鳥取県から全国へ、手話の普及を進めていきます。