「どう感じるかは自分次第」 小学生×大学生 ユニークな展示会でアートを通して交流
2025年3月に開館が予定されている、鳥取県立美術館。開館に向けて、より多くの人にアートに親しんでもらおうと、ユニークな展覧会が行われています。
卓球に熱中する子供たちにー。座布団でできた山に、よじ登る子供たち。実はこれは“アート体験”なんです。
鳥取県立博物館で開催中の展覧会「ラーニング/シェアリング共有から未来は開くか?」。見るだけではなく、触れて、体験する作品が並んでいます。どう感じるのかは、自分次第。浮かんだ気持ちを人に伝えて共有することが、学びにつながります。
大学生
「どうだった?」
小学生
「楽しかった」
大学生
「感触はどうだった?」
小学生
「やわらかかった」
展示室にあるのは、自分の好きな人の似顔絵を描いて座布団でできた山の上のポストに投函すると、今後、別の会場に訪れた人に届く、という作品。自分がこの展示室に入る時にも海外の子供が描いた絵を受け取ることができます。
小学生
「ママって書いてある。世界のどこかに大好きな人がいるんだと思った」
また、展示室に並んでいるのは卓球台のように見えるもの。
大学生
「離れてこれ見て、どう?」
一歩下がって眺めてみたりー。極端に近づいたりー。下から覗いてみたり。さらに、部屋全体もじっくり観察します。
大学生
「壁が黄色なのか、光が黄色なのかガラスが黄色なのか、どれだと思う?」
小学生
「光!」
「え、待って、わかんない」
小学生から意見を聞き出しているのは、鳥取短期大学の学生たち。日本語表現の授業の一環で行っているもので、事前に下調べも重ねてきました。
大学生
「小学生は想像力が豊かなので、否定しないということと、楽しく、どうして?そうだね!と問いかけるようにして話を聞くようにしました」
一緒に楽しむことで、意見も活発に飛び交います。大学生にとっても、貴重な学びの機会となったようです。
大学生
「とても楽しそうに物事を見ているのを見ると、私としてはもうちょっと心安らかに優しい気持ちで色んな物事を見ていきたいなと考えました」
鳥取県立博物館 学芸員佐藤真菜さん
「自分にはなかった感覚でもう一度作品を味わったり、その場を味わったりということができているんじゃないかと思います。色々なコミュニケーションが生まれる場を作っていきたいという気持ちでいます」
新たに誕生する県立美術館を、アートを通したコミュニケーションの場にー。今後も様々な取り組みが行われる予定です。