【マグロ漁船転覆 最新情報】20日の捜索は午後5時で打ち切り 船長発見できず 転覆した漁船を再発見した船員は「船首がちょっと沈みこみ気味」 青森県大間沖
大間町漁協によりますと、行方不明になっている船長の藤枝亮一(ふじえだ りょういち)さん70歳について、20日の捜索は午後5時で終了したということです。
藤枝さんはまだ見つかっていません。
第二管区海上保安本部によりますと、藤枝さんが乗っていた大間漁協所属の「第二十八光明丸(こうみょうまる)」は20日午後1時すぎに大間崎から東に約19キロ離れた海域に転覆した状態(長さ10メートル、船底赤色)で漂流してるのが見つかっていました。
漁船にはいずれも大間町に住む船長の藤枝亮一(ふじえだ りょういち)さん70歳と乗組員の須藤愛教(すどう よしのり)さん55歳の2人が乗っていました。
須藤さんは午後9時10分ごろ大間埼灯台から東北東およそ3キロの海上で発見されましたが意識不明の状態で町内の病院に運ばれ、まもなく死亡が確認されました。
救命胴衣は着用していました。
大間漁協からの情報によりますと、午後11時22分頃「第二十八光明丸」と見られる漁船が大間埼灯台から東北東およそ2キロほどの場所に船底が見えた状態で転覆しているのが見つかったということです。
その後波と風が強くなり、発見位置から北東およそ5キロのところで視界不良により見失いましたが、民間船が見失った位置から南東におよそ17キロメートルの位置で再発見しました。
発見時の現場の気象海象は西の風約5.4メートル、うねり西から約1.5メートル、天候晴れ、海水温度11.8度ということです。
海上保安部によりますと、風が強くて近づけないため漁船を引き揚げるなどのめども立たない状況が続いているということです。
第二十八光明丸を発見した「新りゅうじん」に乗っていた50歳代の船員は当時の様子について・・・
★第二十八光明丸を発見した船員
「北緯40度30分141の07分のあたりで見つけたんですよ」
「船首がちょっと沈みこみ気味かな。ひっくり返っていました」
また、漁船が行方不明となった場所は波が高くなる場所で、潮流に向かって風が吹いている場合はさらに危険性が高まると話していました。
★第二十八光明丸を発見した船員
「あの辺は潮波が立つからね」
「潮と風が反対だと余計に波が立ちますよ普通なら1メートルくらいで済むのが2メートルくらいまで波立ちますよ」
「ご家族の心情を思えば早く見つかってほしい」
また漁師仲間も藤枝さんを案じていました。
★知人の元マグロ漁師
「藤枝さんは漁に対して一生懸命な人だった」
「12月のマグロ漁は初セリ高値で取引されるから大間のマグロ漁師にとって大事」
「(弁天島付近は)潮の流れが速い。あそこに行く場合気をつけないとだめ。波が高いから」
「きのう(19日)は波が高かった 陸から見ていても波が高かった」
行方不明となっている藤枝さんは2019年の初競りで3億3,360万円の史上最高値をつけた278kgのクロマグロを釣った漁師です。
現場の海域は当時、西北西の風約7メートル、波約1メートル、海水温度11度でした。
関係者によりますと19日は豊洲市場での初競りに向け多くの漁船が漁に出ていたということです。
大間町の野﨑尚文町長は「私もすごい親しくしている船なのでびっくりして本当なのかなと。見つかって欲しいと思います」と話していました。