保護猫の幸せな譲渡へ 22歳が起業した保護猫ハウスで伝える“命の尊さ” 青森県黒石市
毎年9月20日から26日までは「動物愛護週間」。
きょうは黒石市にオープンした「保護猫ハウス」です。
大学を卒業してすぐ起業した22歳の男性の思いとは。
おもちゃで遊んだり!ごろごろと寝そべったり…。テレビカメラにも興味津々!
元気いっぱいのかわいらしい猫たち。
しかし皆、さまざまな事情で飼い主のいない「保護猫」です。黒石市の国道102号沿いにある、「猫ハウスごろにゃん」です。
ことし4月保護猫の譲渡を目的にオープンした「猫ハウスごろにゃん」では、およそ20匹の猫たちと触れ合うことが出来ます。
ガラス越しに猫を眺めながらドリンクを楽しめる、カフェスペースもあります。
「猫ハウスごろにゃん」代表の直井勇磨さんは、現在22歳。
大学生の頃、青森県動物愛護センターのボランティアをしていた直井さん。
県の融資制度を活用し、家族の協力も得て、大学を卒業してすぐ「猫ハウスごろにゃん」を起業しました。
直井さんが就職ではなく起業を選択したのは…
★猫ハウスごろにゃん 直井勇磨代表
「いろんな愛護団体さんのところで、捕獲して猫は増えるんだけど、場所が無いから譲渡会が出来ないとかそういう話をよく聞いていたので、じゃあうちが場所を提供して(譲渡を)やろうと一念発起して(家族)みんなで始めました。」
猫は繁殖力が高いため、子猫が産まれても家で育てられなくなったり、飼い主の高齢化によって飼えなくなったりすることがあります。
県動物愛護センターによると、昨年度だけでも県全体でおよそ500匹の猫が保護されています。
小学生の姉弟が遊びに来ていました。
実は2人は今「猫を飼いたい」とお父さんにお願いしているところだそう…。
★弟「きょう来てみてすっごく楽しかった」
★姉「子猫の毛のモフモフなところが好きです 飼いたい」
しばらく遊んでいると…
★弟「猫が寝ちゃった、自分の好きな猫が寝ちゃった」
すると2人は…、
★弟「心臓の音かな?これ。ここ触ってみて。」
子どもたちにとって動物と接することは命の尊さを学ぶことにもつながるのです。
この日は譲渡も行われました。
「猫ハウスごろにゃん」では、飼い主の年齢や家族構成、自宅が持ち家であることなどの譲渡の条件を定めています。
譲渡を前に、直井さんは改めて新しい飼い主にこう伝えます。
★直井勇磨代表
「完全室内飼いでお願いします 適正な時期に不妊手術をお願いします こちらはお近くの動物病院さんとご相談下さい」
さらなる保護猫を増やさないために、大切なことです。
譲渡されるのは、生後4か月の子猫オレくん。
保護された時には、片手に乗るぐらいの小さな赤ちゃんネコだったそうです。
オレくんが新しい飼い主へ。
猫好きのこちらの女性は、この1年の間に長年暮らした2匹の猫との死別を経験しました。
★新しい飼い主
「(猫が亡くなったのは)寂しいね」
「なんでしょうね、(オレくんと)目線が合った気がしたの なんかかわいくてさ」
直井さんにとっては、オレくんとの別れの瞬間。
★直井勇磨代表
「子を見送る親のような気分でして、ほっとする反面、ちょっとさみしさもあります」
譲渡先での幸せを願いながら見送ります。
4月のオープンから半年間で、およそ50匹の保護猫に新しい家族が出来ました。直井さんの一番の願いは…
★直井勇磨代表
「やっぱり猫の殺処分は 県内だけでいっても、犬よりも猫ちゃんのほうが何倍も多いので 1匹でも多くの保護猫に家族が見つかることを、僕は望んでいます」
保護猫たちの尊い命と幸せを守るために。直井さんはきょうも、やさしく猫たちを見つめます。