不要になった子どもの服を持ち寄り欲しい人に無償で譲る弘前市の「おさがり交換会」がいま大盛況です。交換会にはさまざまな体験ブースも設けられ子育て世代の新たな交流の場になっています。

この日「おさがり交換会」が開かれていたのは弘前市の明星幼稚園です。
会場にはサイズごとに仕分けされた子ども服やシューズそれに絵本などが所狭しと並べられています。そこへ続々と小さな子どもを連れたお母さんたちがやってきました。必要なサイズの洋服を選んで持ち帰る人もいれば子どもの成長とともに不要になった洋服を提供していく人も。いくつもらってもすべて無料です。

★弘前市民
「子ども服って大人みたいにボロボロになるまで着られないのでとてもありがたいですし、きれいな状態でいただけるので助かります」

★弘前市民
「きょうは靴をいただいてすぐ大きくなるから靴って高いし、すごくありがたくていただきました」

★五所川原から
「とりあえず帽子をゲットできました　やっぱり子ども服は高いし良いと思います」

おさがり交換会を開いているのは弘前市のNPO法人「しののベース」の角田しのさんです。4人の子どもの母親でもある角田さんは去年5月から市内の商業施設「ヒロロ」で月1回のペースで交換会を開催し毎回大盛況となっています。この日は初めてその趣旨に賛同した明星幼稚園での開催となりました。

★NPO法人しののベース　角田しの さん
「無料のおさがりというのがまずないというのがありまして　一瞬しか使わない物って 子どもの物ってあってその時期その時期の靴だったり帽子だったり小物だったりというのが 一瞬しか使わないのに結構値段がかかるっていうのが みんな子育て世代は思っていて　（子ども服を）みんなが循環できるようにもらったら戻す　もらって戻すというのをみんなしてくれています」

この交換会が人気なのはおさがりが無料でもらえるだけではありません。会場にはフェイスメイクやボディメイクなどの体験ブースも並びます。この日は無料の体験ブースが「出店」という形でこのイベントに参加していて子育て世代の交流の場にもなっています。ママたちが体験しているあいだ子どもたちはマジックに夢中。会場の大人たちみんなで面倒をみているのです。

弘前市の齊藤裕希さんはもともと交換会の参加者でしたが写真スタジオの起業を見据え出店しています。

★写真スタジオの起業めざす　齊藤裕希さん
「娘が生まれて弘前で写真撮るのが結構高いというのとあまり自分でかわいいと思うスタジオがなくてそれでやってみようと思った」

★角田しの さん
「（交換会を）いろいろ宣伝の場として使ってもらってそこから起業する人もいますし独立・開業をめざしているママたちがたくさんいます　きっかけの場にどんどん使っていただけたらと思ってます」

今回のおさがり交換会の場所を提供した幼稚園の園長さんは…

★明星幼稚園　佐藤滋子園長
「私たちが子育てしたころは近所のおばさんとかがいて子育てのこととかいろいろ教えてもらったり、そういうコミュニティが今ないのでそこをめざしたいとしのさんが言ったので幼稚園としても応援したくて」

角田さんはめざしているのは昔ながらの地域社会全体での子育てです。

★角田しの さん
「多世代交流を目的としていて子育て世代が地域で孤立しないようにいろんな世代と関わってほしくて交流の場を各地で開催しています」

角田さんの目標は…

★角田しの さん
「昔の町内会のような単位で 多世代が歩いて行ける場所に 子育て世代のママだったりシングルママだったりシングルパパだったり年配の人だったりが集える場『しののベース』は今後 毎日開けられて毎日人が集まれる場を何か所も弘前の中に作っていきたいという思いで いま動いてます」

子育て世代を応援することで始まったおさがり交換会は多くの人を巻き込み人と人とのつながりを作り出していきます。