皆さん、「モルック」というスポーツをご存じでしょうか？
本場ヨーロッパでは世界大会も行わているスポーツなんですが今このモルックを通じてお年寄りと学生に世代を超えた交流が生まれています。

モルック交流会の参加者
「もうこの日が来るのを楽しみにして、毎日暦も見て忘れないようにしています」

青森放送 伊東幸子 アナウンサー
「じゃあ、今日の日を楽しみにして」

モルック交流会の参加者
「そうそうそうそう」

モルック交流会の参加者
「今日これがあるのでね、夕べ眠れなかったんですよ、楽しくて、楽しみで楽しみで」

お年寄りたちがこんなにも心待ちにしているのは。
「モルック」です。
フィンランド発祥のゲームを元に開発された生涯スポーツの「モルック」。
蓬田村は、再来年青森県で開催される国民スポーツ大会で、デモンストレーションスポーツとして行われる「モルック」の競技会場となってます。
村の老人クラブでは2年前からこのモルックを活動に取り入れていて会員およそ200人のうち、実に半数がモルックプレイヤーです。
ルールは簡単「モルック」と呼ばれる棒を投げ1から12までの数字が書かれた「スキットル」と呼ばれる木製のピンを倒して点数を競います。

蓬田村社会福祉協議会 田中利明 事務局長
「3.5メートル離れたこの場所から、モルックをスキットルに当てます」

青森放送 伊東幸子 アナウンサー
「はい、今何本か倒れましたね」

蓬田村社会福祉協議会 田中利明 事務局長
「複数倒れたものが点数になります」

この場合7本倒れたので7点です。
得点方法はもう一つ。

蓬田村社会福祉協議会 田中利明 事務局長
「1本だけ倒した場合、この時はスキットルに表示されている点数が得点になります」

この場合は12点交互に投げて自分たちの点数が先に50点ぴったりになったの方の勝ちです。
50点を超えた場合は25点へ減点されてゲームが続きます。
ルールが簡単でみんなで出来るところが魅力のモルック。
体を動かすこと以外にもお年寄りたちに人気の理由は…。

蓬田村老人クラブ連合会 小鹿秀敏 会長
「50点という点数を計算しながら、あそこを倒せば大丈夫だ、ここ倒せば大丈夫だという、頭を使う、それがすごく元気につながっていくと思います」

この日は、蓬田中学校の生徒7人も参加。
蓬田村の小学校や中学校では体験教室が行われるなど地域をあげてモルック熱が高まりを見せています。
さらに、全国大会の出場経験を持つ青森大学モルック部の2人もゲストとして参加。
大学生ならではの技を見せていました。
試合も終盤の41対25の場面。
「9」のスキットルを倒せば、ちょうど50点で赤チームの勝利となりますが。

モルック交流会の参加者
「やるしかないよな、やるしかない」

みごと命中。
お年寄りにとっては孫のような年代の学生たち。
ナイスプレーには、拍手に…、タッチに…、頭をなでるお年寄りも。
年齢差を超越して、モルックを心から楽しんでいました。

中学生
「（お年寄りが）どんな地域の人か、学校とか、クラスのこととかを聞いてくれて、いろいろと楽しい話も出来て」
「またこういう機会があったら、ぜひ参加したいです」

大学生
「（モルックは）全世代が出来るっていうのが魅力なので、今回初めて高齢者の方と交流会をしてみて、これからも（交流を）続けていきたいと思いました」

体も頭も使うモルックは地域のお年寄りにとってなくはならない存在になっていました。

蓬田村老人クラブ連合会 小鹿秀敏 会長
「本当に元気もらえますね 若さと元気！すごくこれを感じて感謝しています」

モルック交流会の参加者
「若返りました！75（歳）には見えないでしょう！」

世代を超えて皆をつないでくれるモルック。
今後、「健康づくり」と「地域づくり」の両面で注目を集めそうです。