【シリーズ年末回顧 幡多地域の2024年】猛暑に地震、高校の厩舎で火事、伝統行事の復活も【高知】
こうちeyeでは年末回顧と題し、今年1年を様々な角度から振り返っています。
最終回は高知県西部、幡多地域での今年1年の出来事を振り返ります。
幡多地域の一年、まずは恒例行事から。
1月2日、大月町古満目地区で行われる新年の伝統行事「水浴びせ」です。
2年ぶりの開催となった今年は地域の若者など9人が参加し、1年間の地域の安全を祈りました。
また1月中旬には高知ユナイテッドSCが黒潮町の土佐西南大規模公園で4年連続となるキャンプを実施。
県内初のJリーグ昇格を決めたユナイテッドの今年1年の快進撃はここから始まりました。
そして4月10日は「四万十の日」
毎年恒例の船上結婚式で今年永遠の愛を誓ったのは、愛媛県の本山整さん奈緒さん夫婦です。
■2人の誓いの言葉
「いつも夫婦の会話を大切にし思いやりの心を持ち続けることをこの四万十川に誓います」
もう一つ、県西部で有名な結婚式と言えば毎年ゴールデンウイークに黒潮町・入野の浜で開かれる「砂浜ウェディング」
2年ぶりの開催となった今年は、四万十市に住む松廣屋京さんと妻・恵菜さん、そして長女の翠ちゃんが、澄み渡る青空のもと砂浜での結婚式に臨みました。
■松廣屋さん夫婦
「笑顔が絶えない家庭で生活を送っていきたい。喧嘩をしないように頑張りたい」
10月は30回目の節目を迎えた四万十川ウルトラマラソン。今年は2200人あまりのランナーが60キロの部、100キロの部に挑戦。多くの人たちの支えの中走りぬいたランナーたちの表情は達成感に溢れていました。
また新たな施設も生まれました。
四万十市文化センターの老朽化に伴い建設された「しまんとぴあ」が4月にグランドオープン。
最大800人余りを収容できる大ホール「しまんとホール」をはじめとする大小様々な部屋があり、文化・芸術・コミュニティ活動の中心として活用されています。
新施設の誕生や恒例行事で盛り上がりを見せた県西部ですが、その一方で突然起こる自然災害の猛威などに振り回された一年でもありました。
四万十市の中村と江川崎では、1977年の調査開始以降最長の7月16日から22日連続「猛暑日」を記録。
8月末に高知県上空を通過した台風10号により、四万十町にある里川沈下橋では橋げたのコンクリート板が川の増水で流されていました。
そして4月17日。豊後水道を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生。宿毛市でも最大震度6弱を観測し、町では落ちた外壁や屋根瓦が道路に散乱。宿毛高校前では街路灯が支柱ごと倒れていました。
宿毛市にある大西酒店の発災直後の店の写真には床に商品の瓶が落下していて、割れた破片が散らばっていました。冷蔵庫の裏の写真には足の踏み場もないほど床に商品が落ちてしまっている様子が。
店長の大西慶典さんによると、地震の揺れで当時150本以上の酒の瓶が割れ、商品にならなくなったといいます。
■大西酒店・大西慶典さん
「揺れ自体はそんなに長く感じなかったが、あの時間でこんなに落ちるのかと。揺れが長かったら店の中のお酒全滅やったろうなと。それ考えたら足が震えた」
そのほかにも市内の住宅の擁壁が10メートルにもわたり崩壊。市内の神社・宿毛金刀比羅宮では鳥居が崩れるなどの被害が発生しました。
一方、神社には全国から328万円あまりの寄付が集まり修復が進められました。12月17日には修復工事が終了。
■宿毛金刀比羅宮・岡﨑利久宮司
「宿毛市内、宿毛市街また県外のみなさまから多くの寄付を頂きましてこのような立派な鳥居を再建することができて、感謝を申し上げる。まだまだ地震の被害があるところもあり復旧もできないところもあるが、この鳥居を見て元気をもらえるような鳥居になればいい」
痛ましい火事もありました。
2月。幡多農業高校の馬術部の厩舎で火事があり平屋建ての厩舎、約160平方メートルを全焼。
約3時間半後に消し止められけが人はいませんでしたが、厩舎にいた馬3頭が死にました。
火事からおよそ10ヶ月。幡多農業高校馬術部を尋ねました。
現在、部のキャプテンを務めるのは高校3年生の斉藤涼平さんです。
火事についてこう振り返ります。
■幡多農業高校馬術部キャプテン 斉藤涼平さん
「自分は遠征に行っていてそのホテルで先生から電話があって(馬術部の)グループラインで火事があったって連絡が入っていてそこで初めて知った。何が何かわからなかった。燃えていても厩舎ではないと思っていた、火を使う場所、給湯室が燃えたのかなと思っていた」
火事から数日たったあと現場を見ることができたという斉藤さん。真っ黒になった厩舎跡や焦げ臭さを目の当たりにし本当に火事が起こったんだと分かりました。現実を目の当たりにして大きなショックを受けました。
■斉藤涼平さん
「あ、本当に起きたんだなと。まだ信じていなかったので、見るまでは」
斉藤さんにも大きなストレスが。火事のあと腸に穴が開き手術、約2週間入院したといいます。
■斉藤涼平さん
「知らないうちにストレスがかかっていた、それで腸に穴が開いたので。自分の好きな馬が(厩舎が)燃えた時に死んだので、余計にショックが大きかった」
火事の後、仮の厩舎を設置し部活動を続けていた馬術部。
その後、様々な人たちから使っていない馬具や倉庫など多くの支援があったといい、そのおかげもあってか幡多農業高校馬術部は今年7月に行われた全国大会や10月の国民スポーツ大会にも出場。
例年と変わらない活動ができたといいます。
■斉藤涼平さん
「周りの人が助けてくれるから自分も活動ができる(と感じた)。どうしても馬具とかは値段が高くすぐに買えない。そういったものを送ってもらえると練習もできるようになるのでうれしい。(感謝を)めちゃくちゃ感じた」
現在、馬術部の活動場所の近くには火事で死んでしまった馬3頭を弔う慰霊碑の設置が進められています。
今年も様々なことがあった幡多地域。
来年も県西部の多くの出来事をお伝えしていきます。
最終回は高知県西部、幡多地域での今年1年の出来事を振り返ります。
幡多地域の一年、まずは恒例行事から。
1月2日、大月町古満目地区で行われる新年の伝統行事「水浴びせ」です。
2年ぶりの開催となった今年は地域の若者など9人が参加し、1年間の地域の安全を祈りました。
また1月中旬には高知ユナイテッドSCが黒潮町の土佐西南大規模公園で4年連続となるキャンプを実施。
県内初のJリーグ昇格を決めたユナイテッドの今年1年の快進撃はここから始まりました。
そして4月10日は「四万十の日」
毎年恒例の船上結婚式で今年永遠の愛を誓ったのは、愛媛県の本山整さん奈緒さん夫婦です。
■2人の誓いの言葉
「いつも夫婦の会話を大切にし思いやりの心を持ち続けることをこの四万十川に誓います」
もう一つ、県西部で有名な結婚式と言えば毎年ゴールデンウイークに黒潮町・入野の浜で開かれる「砂浜ウェディング」
2年ぶりの開催となった今年は、四万十市に住む松廣屋京さんと妻・恵菜さん、そして長女の翠ちゃんが、澄み渡る青空のもと砂浜での結婚式に臨みました。
■松廣屋さん夫婦
「笑顔が絶えない家庭で生活を送っていきたい。喧嘩をしないように頑張りたい」
10月は30回目の節目を迎えた四万十川ウルトラマラソン。今年は2200人あまりのランナーが60キロの部、100キロの部に挑戦。多くの人たちの支えの中走りぬいたランナーたちの表情は達成感に溢れていました。
また新たな施設も生まれました。
四万十市文化センターの老朽化に伴い建設された「しまんとぴあ」が4月にグランドオープン。
最大800人余りを収容できる大ホール「しまんとホール」をはじめとする大小様々な部屋があり、文化・芸術・コミュニティ活動の中心として活用されています。
新施設の誕生や恒例行事で盛り上がりを見せた県西部ですが、その一方で突然起こる自然災害の猛威などに振り回された一年でもありました。
四万十市の中村と江川崎では、1977年の調査開始以降最長の7月16日から22日連続「猛暑日」を記録。
8月末に高知県上空を通過した台風10号により、四万十町にある里川沈下橋では橋げたのコンクリート板が川の増水で流されていました。
そして4月17日。豊後水道を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生。宿毛市でも最大震度6弱を観測し、町では落ちた外壁や屋根瓦が道路に散乱。宿毛高校前では街路灯が支柱ごと倒れていました。
宿毛市にある大西酒店の発災直後の店の写真には床に商品の瓶が落下していて、割れた破片が散らばっていました。冷蔵庫の裏の写真には足の踏み場もないほど床に商品が落ちてしまっている様子が。
店長の大西慶典さんによると、地震の揺れで当時150本以上の酒の瓶が割れ、商品にならなくなったといいます。
■大西酒店・大西慶典さん
「揺れ自体はそんなに長く感じなかったが、あの時間でこんなに落ちるのかと。揺れが長かったら店の中のお酒全滅やったろうなと。それ考えたら足が震えた」
そのほかにも市内の住宅の擁壁が10メートルにもわたり崩壊。市内の神社・宿毛金刀比羅宮では鳥居が崩れるなどの被害が発生しました。
一方、神社には全国から328万円あまりの寄付が集まり修復が進められました。12月17日には修復工事が終了。
■宿毛金刀比羅宮・岡﨑利久宮司
「宿毛市内、宿毛市街また県外のみなさまから多くの寄付を頂きましてこのような立派な鳥居を再建することができて、感謝を申し上げる。まだまだ地震の被害があるところもあり復旧もできないところもあるが、この鳥居を見て元気をもらえるような鳥居になればいい」
痛ましい火事もありました。
2月。幡多農業高校の馬術部の厩舎で火事があり平屋建ての厩舎、約160平方メートルを全焼。
約3時間半後に消し止められけが人はいませんでしたが、厩舎にいた馬3頭が死にました。
火事からおよそ10ヶ月。幡多農業高校馬術部を尋ねました。
現在、部のキャプテンを務めるのは高校3年生の斉藤涼平さんです。
火事についてこう振り返ります。
■幡多農業高校馬術部キャプテン 斉藤涼平さん
「自分は遠征に行っていてそのホテルで先生から電話があって(馬術部の)グループラインで火事があったって連絡が入っていてそこで初めて知った。何が何かわからなかった。燃えていても厩舎ではないと思っていた、火を使う場所、給湯室が燃えたのかなと思っていた」
火事から数日たったあと現場を見ることができたという斉藤さん。真っ黒になった厩舎跡や焦げ臭さを目の当たりにし本当に火事が起こったんだと分かりました。現実を目の当たりにして大きなショックを受けました。
■斉藤涼平さん
「あ、本当に起きたんだなと。まだ信じていなかったので、見るまでは」
斉藤さんにも大きなストレスが。火事のあと腸に穴が開き手術、約2週間入院したといいます。
■斉藤涼平さん
「知らないうちにストレスがかかっていた、それで腸に穴が開いたので。自分の好きな馬が(厩舎が)燃えた時に死んだので、余計にショックが大きかった」
火事の後、仮の厩舎を設置し部活動を続けていた馬術部。
その後、様々な人たちから使っていない馬具や倉庫など多くの支援があったといい、そのおかげもあってか幡多農業高校馬術部は今年7月に行われた全国大会や10月の国民スポーツ大会にも出場。
例年と変わらない活動ができたといいます。
■斉藤涼平さん
「周りの人が助けてくれるから自分も活動ができる(と感じた)。どうしても馬具とかは値段が高くすぐに買えない。そういったものを送ってもらえると練習もできるようになるのでうれしい。(感謝を)めちゃくちゃ感じた」
現在、馬術部の活動場所の近くには火事で死んでしまった馬3頭を弔う慰霊碑の設置が進められています。
今年も様々なことがあった幡多地域。
来年も県西部の多くの出来事をお伝えしていきます。
最終更新日:2024年12月23日 18:54