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国内最古級文章の一部か 南国市で出土した土器に刻まれた漢字2文字

2025年1月23日 17:04
国内最古級文章の一部か 南国市で出土した土器に刻まれた漢字2文字
高知南国市若宮ノ東遺跡から出土した土器に刻まれた「漢字2文字」が、国内で最も古い分類になる文章の一部である可能性が高いことが、県立埋蔵文化財センターの調査報告で分かりました。

文字が刻まれた可能性がある南国市の若宮ノ東遺跡から出土された土器の破片はつぼの一部とみられています。1文字目が一部損なわれた「何」という文字。そして、2文字目が「不」という文字とみられます。

この土器の破片は、県立埋蔵文化財センターが2018年度におこなった発掘調査で弥生時代後期末から古墳時代初めの竪穴建物跡から出土したものです。2019年度に整理作業の一環として洗浄したところ、文字が見つかりました。

大きさは縦・7センチ、横・約11センチで、鑑定を依頼した国立歴史民俗博物館の平川南・元館長など専門家が1文字目が「何」2文字目が「不」とみられると鑑定しました。県立埋蔵文化財センターのスタッフにイラストを使って解説してもらいました。調査課長の吉成承三さんです。

■県立埋蔵文化財センター 吉成承三 調査課長
「下の2文字目の『不』という字、次に左にはらて縦にひく。最後に右方向にはらうという筆順で書かれている。下の『不』は不可能の『不』。上が『何』という文字になるそう。何不(なんぞ~ざる)という読み方。これを頭文字とすると下に文章が続くのではないかと推定が出来つつある」

文字は土器の上から下にかけてへらのような工具で斜めに縦書きで刻まれていてはっきりしていて、土器を焼き上げる前の表面がまだ柔らかいうちに記されたと考えられています。専門家の指摘ではこの後に何らかの文字が続き文章であった可能性もあるとしていて「何」「不」という文字は国内でも最古の分類になる文章の一部である可能性が高いということです。

■県立埋蔵文化財センター 吉成承三 調査課長
「今回このような弥生土器に文字が刻まれた事例は高知県で初めて。今まで三重県の遺跡で漢字1文字の土器片がみつかっている。漢字を2文字続けて書く類例がない。まだ調べ切れてないが類例が少ない。今後土器を復元していくと、下に7文字くらい続いていきそうな書き出しで始まっている文章。今後類例が各県から出てくると、弥生時代の文字文化について研究が進んでいくと期待」

土器の破片について、県立埋蔵文化財センターでは2月7日から28日まで期間限定で一般公開することにしています。
最終更新日:2025年1月23日 17:04