【衆院選・争点】選挙戦初日に立候補者の多くが第一声で口にした「政治とカネ」巡る問題…影響いかに(静岡)
15日から始まった12日間の選挙戦。多くの候補者が“第一声”で口にしたのが「政治とカネ」をめぐる問題についてでした。
裏金問題の発端となった安倍派の座長を務めた塩谷前衆院議員が活動していた静岡8区でも、それぞれの候補者が言及しました。
(自民・静岡8区 新人 稲葉 大輔 候補)
「政治とカネの問題は争点であります。もちろんこれは清廉潔白 全部きれいにしなければいけません」
(立憲・静岡8区 前職 源馬 謙太郎 候補)
この浜松から私が先頭に立って政治不信の決着をつける
(維新・静岡8区 新人 寺島 瑞仁 候補)
「現在の裏金問題や不正に対し私自身会社経営者として本当に強い疑問と不信をもってきました」
(共産・静岡8区 元職 平賀 高成 候補)
「今回の総選挙は裏金問題での石破内閣に厳しい審判を下す総選挙です」
(無所属・静岡8区 新人 加藤 順久 候補)
「いまの腐った政治はしがらみ政治の成れの果て。もう限界です」
2023年12月、自民党の最大派閥・安倍派に巨額の裏金づくりの疑惑が向けられ、政界を大きく揺るがす事態にまで発展した、この問題。東京地検特捜部による捜査で逮捕者が出たほか、5つの派閥が解散を決めるなど大きな波紋を呼びました。県内議員も、その渦中にありました。
(裏金問題で離党 塩谷 立 前衆院議員)
「処分については非常に悔しい、大変憤りを感じているが」
この問題で矢面に立った「安倍派」の座長を務めていた静岡8区の塩谷前衆院議員。4月に「離党勧告」処分が下され、今回の衆議院解散に伴い政界を去ることになりました。また、当時防衛副大臣を務めていた、静岡3区の宮沢元衆院議員も、自身のキックバックについてや派閥から「収支報告書に記載しなくていい」と指示があったことを暴露し大きな注目を浴びました。
岸田首相が退任する事態となる中、9月に行われた自民党総裁選。いわゆる”裏金議員”への対応に慎重な姿勢を見せる候補が目立つ中、総裁選を制した石破首相も曖昧な態度を崩しませんでした。裏金議員を公認するのか否か、その対応に注目が集まる中、解散直前の10月6日…。
(石破 茂 首相)
「結果として、相当程度の非公認が生ずることとなるが、国民の信頼を得る観点から、公認権者として責任を持って最終的に判断をしていくものとする」
安倍派幹部だった萩生田光一氏など計12人を「非公認」とする方針を示しました。一方で、そのほかの34人には公認を出しましたが、比例での重複立候補を認めませんでした。裏金をめぐる一連の問題は、有権者の投票にどこまで影響を与えるのでしょうか。
街で聞いてみると…。
(30代)
「そんなに生活が豊かな方ではないので、どうにかしてほしい」「でも、結局、自民党じゃないとだめなのかなと、半分諦めのようなしょうがないという感じで投票するのかなと」
(60代)
「はっきり言って気分悪いですよね、ちゃんとけじめつけてもらいたいなと」「感情としては自民党に入れたくないなと思ってしまう」「石破さんも選挙前に言っていたことと変わってしまった」
(40代)
「正直信じていたのにという感じ。切り詰めて私たちもやっている中で信じられない。やっぱりねと信頼を失う」
(20代)
「そういうものかなという感じで思っています。どこになっても一緒かなと」
県民からは政治に対する不信の声が多くあがったほか、諦めに似た意見も聞かれました。
Daiichi―TVが先週実施した視聴者アンケートでは、「裏金問題への対応を評価するか?」という問いに対し「評価しない」と答えた人が47%。「あまり評価しない」が23%で、7割が厳しい評価をしていることがわかりました。
政治不信が渦巻く中で迎えた選挙戦。どのような形で結果に反映されるのか注目です