【裏金事件】安倍派“最後の議員総会”…塩谷座長ら幹部の政治責任は?派閥内から不満の声も
自民党の派閥の政治資金をめぐる事件。2月1日、解散を決めている安倍派が最後の議員総会を開きました。塩谷座長ら幹部からは政治責任について言及がなく、派閥からは不満が募ってます。
(安倍派 塩谷 立 座長)
「スタートして今年でちょうど45年になります。その歴史ある清和研を閉じなければなら ない、まさに断腸の思いです」
1日に都内で開かれた、自民党安部派の最後の議員総会。神妙な面持ちで解散への思いを口にした塩谷立座長。
自民党の政治資金をめぐる裏金事件を受け、解散を決めた自民党最大派閥の安倍派。収支報告書に記載のないキックバックを受けていたものの、立件が見送られた塩谷座長など、幹部7人の処分や進退が注目されています。
1月28日、浜松市。比例東海ブロック選出で、静岡8区の塩谷立座長は、事務所で会見を開き、“裏金問題”について説明しました。
(安倍派 塩谷 立 座長)
「中抜きはない、トータルが5年間で234万円。派閥のパーティーはノルマだけ売るということで、自分としてはまったく還付を受けていないと考えていた」
収支報告書に記載していない「5年間で234万円」のキックバックを認め、政治不信を招いたと謝罪。議員辞職や離党はせず、次期選挙にも出馬する意思があると述べました。
(安倍派 塩谷 立 座長)
「処分受けたりやめることで一件落着は違う。それで幕引きしたい人が考えたのかわかりませんけど、もっと大きな問題になっていることを認識することが必要。二階派、岸田派どうするかとなるし。自民党をとりまく政治と金の問題をどうするかが一番大事」
そして、1日に行われた安部派・最後の議員総会。塩谷座長は、キックバックなどの不記載について、所属議員に謝罪しました。
(安倍派 塩谷 立 座長)
「長年にわたる事務的なミスリー ドによって、先生方に誤った処理を続けてきたことに、重ねてお詫びを申し上げる次第」
しかし、幹部からは、離党や議員辞職など、自らの政治責任についての言及はなく、派閥内からは「不記載が生じた経緯の説明が何もないままだ」など、幹部に対する不満が募っています。さらに、塩谷座長は、自身の政治責任については“しかるべき時に判断する”と話し、1月の会見で“離党や辞職はしない”と示した考えとは大きく異なっていました。
(安倍派 塩谷 立 座長)
「今、党の方で調査も始まっていて、まだまだ最後までの解散業務等もあり、自分としてはそれを責任持ってやっていくこと が今、第一の問題だと思い、重く受け止めて、しかるべき時に判断すると私から答えた」
また、安部派は、過去5年間で6億7654万円の不記載があったことを明らかにし、1月31日に、政治資金収支報告書の訂正を総務省に届け出ました。
一方、“派閥からの指示”を暴露した、安倍派で比例東海ブロック選出、静岡3区の宮沢博行議員。
宮沢議員は、2022年までの3年間で、ノルマを超えて売ったパーティー券収入のうち、114万円を派閥に納めず“中抜き”していたことを明らかにしています。派閥の解散を求めていた宮沢議員は、1日、最後の議員総会を終え…。
(安倍派 宮沢博行議員)
「(幹部からは)私が希望する答えはないが、解散に向けての方針、手続き、 それから清算管理委員会の話があった程度。政治家は、まずは自分で国民の信を得て勝ち上がっていくのが政治なので、派閥に頼ってどうこうはプラスアルファでしかないと私は思う」
安倍派を中心に揺れた、派閥の政治資金パーティーをめぐる事件。今後、安倍派が解散したとしても、いわゆる「5人衆」塩谷座長など、安倍派の幹部がどのように説明責任や政治責任を果たしていくか注目が集まります。