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【川勝知事】不適切発言めぐり突然の辞意表明を経てついに「辞職願」提出!その時…心境は?県民は?(静岡)

2024年4月10日 17:20
【川勝知事】不適切発言めぐり突然の辞意表明を経てついに「辞職願」提出!その時…心境は?県民は?(静岡)

10日 朝、静岡県庁に姿を現した川勝知事。この後、辞職願を提出する予定です。

(記者)
Q.「今の心境は…?」

(川勝知事)
「散りぬべき 時しりてこそ世の中の 花も花なれ人も人なれ」

これは細川ガラシャの辞世の句。戦国時代、明智光秀の三女として生まれ、「本能寺の変」の後、謀反人の娘となったことで、数奇な運命に巻き込まれます。最期は、人質になることを拒んで死を選んだと言われます。この時、詠んだといわれるのが、この句。「花も人も散り時を心得てこそ美しい」という意味が込められています。

ことの発端は4月1日、県庁での新入職員への訓示でした。

(川勝知事)
「毎日毎日、野菜を売ったり牛の世話をしたりモノを作ったりとかと違いって基本的に頭脳・知性が高い方たち。それを磨く必要がある」

この職業差別ともとれる不適切発言が波紋を呼び、辞職表明をした後も、批判が相次ぎました。また辞職の時期について川勝知事は当初、6月の県議会初日との意向を示していましたが、自民党・公明党の両会派は早期の辞職を求めていました。

そして10日…。

(徳増 ないる キャスター)
「川勝知事がこれから議長室に入ります。これから辞職願を提出します」

午前9時すぎ、川勝知事が辞職願を提出。その後、辞職願を受けた取った中沢公彦議長が、報道陣の取材に応えました。

(静岡県議会 中沢 公彦 議長)
「ご自身が謝罪と発言の撤回をされた上でのご自身の判断として辞職されるということですので、粛々と受け取った次第であります」「やはり知事に限らず政治家とし て発言すべきでないことを発言したということは致命的だったと思いますが」「こちらもそれなりの努力をしたつもりではありますけども、なかなか向こうはそういう風な姿勢をとってくれなかったので、我々としても じくじたる思いがあります」

この後、県議会各会派の代表者会議が開かれ、議長から知事の辞職願が提出されたことが報告されました。また、今後の県議会は予定通り開かれることとなりました。

一方、知事の辞職願は、すぐに選挙管理委員会に通知されました。

これにより、川勝知事は5月10日 午前0時に失職することになり、県知事選挙は、5月9日 告示、26日 投開票が濃厚となりました。

(80代女性)
「ちょっと残念。全うしてもらいたかった」「やはりいろいろ発言が信用できない」

(80代男性)
「ちょっと残念な気がする」「リニアがどういうふうになっていくか」

(60代女性2人)
「仕事はやっててくれたから、ただやっぱりああいう発言なので、妥当かな」「本人が決めたならそれでいいと思う」「挽回というか回復してもらって静岡県民のために、静岡のために頑張ってほしい」

10日 午後、記者会見に臨んだ川勝知事。

当初、6月の県議会初日に辞職する意向でしたが、辞職を早めた理由については?

(川勝知事)
「辞意表明をしたのが4月2日。表明した以上、ただちに辞任するのが望ましい」「私の発言等によって県民の皆様に大変なご迷惑がかかっているという自覚があったので、なるべく早く止めたい。県政の空白を短くする」「候補者がすぐ出てきた。立候補する人が」「それも追い風になって、さらに自民・公明、自民党県連の増田幹事長は実に紳士的、早期辞職することが望ましいとアドバイスしにこられました。私は非常に清々しいアドバイスだと思って、紳士的なアドバイスには深く感じ入りまして、それにも応えられたので喜んでいる」

県議会の自民・公明の両会派から「早期の辞職を求められたこと」や出馬表明した立候補予定者が出てきたことなどをあげました。「今回の不適切発言がなければ辞職しなかったのか」と問われると…。

(記者)
Q.「訓示での不適切発言がなければ、リニアの静岡工区の工期を伝えられた後も、辞意を固めることはなかった?」

(川勝知事)
「そうですね、それは正確ではありませんね。いろいろな言動が世間をお騒がせしていることについては針の筵のようなところなので、十分に自覚しています。しかし、それは辞任の理由にはならない」「県民の皆様方に付託してもらっているリニアの問題の道筋がわかるかたちにならないといけない」「2027年以降ということしか開業時期は出ていなかったが、これで一つめどが見えたと思いました」

辞職を決めた一番の理由は あくまで「リニア問題について開業延期という区切りがついたこと」と強調しました。

また、会見では これまで自身が取り組んできた“農業政策”について紹介した上で、あらためて 今回の“不適切発言”について「職業差別のつもりはなかった」と説明しました。

(川勝知事)
「第一次産業を大事にしたい。文化は滅びますよと、一生懸命やってまいりました。ですから、やってきたことと、職業差別、第一次産業を下に見下しているというのは全く違うことで」「その方たちに僕が迷惑をかけたのは誠にもってつらいことです。私だけが原因だと思います。今回の発言等を含めてですけども、ですからなるべく早く私が去るのが県民のためになる」