×

【2025年 食卓事情】“食品値上げラッシュ”に“コメ騒動”で明け暮れ…年明け一週間…今後の展望やいかに(静岡)

2025年1月8日 17:22
【2025年 食卓事情】“食品値上げラッシュ”に“コメ騒動”で明け暮れ…年明け一週間…今後の展望やいかに(静岡)

ここ数年、毎年のように続く食品関連の値上げラッシュ。2024年は令和のコメ騒動もありましたが、ことしも値上げの波は続くのか…。気になる2025年の食卓事情を取材しました。

年が明けて早くも一週間が経過。

2024年は、米や野菜といった食卓に欠かせない食品が相次いで値上がりした値上げラッシュの一年でしたが、2025年はどうでしょうか?

8日、静岡市にある青果店で野菜の値札を見てみると…。白菜が1個680円、白ネギ1本300円、レタス1個380円…、少しお高いようで…。

(カネタツ 服部 辰三 取締役)
「白菜なんか前年に比べると高くなってますね」「この前まで550円くらいで売ってたんですけど、ちょっと合わなくなっちゃって680円ぐらい」

年末年始は消費者の需要が高まることから、全体に野菜の値段が上がっていたということですが、いまだ続く値上がりの原因は何なのでしょうか?

(カネタツ 服部 辰三 取締役)
「結局ですね、去年の温暖化ですね、温度が高くて、早く生育がなりすぎちゃって。あとおっつかないって感じで」

ほかにも、白ネギなどの高騰も続く中、このお店では、お客さんに少しでも安い値段で野菜を手に取ってもらおうと”ある工夫”も。レタスやニンジンなどの、通常よりも小さい規格外サイズのものを、比較的安価で販売しているのです。今後も、各地の雪の影響などが出始めると、野菜の値上がりにつながる可能性があるということで、販売する側にも不安があるようです。

(カネタツ 服部 辰三 取締役)
「本当は高くなってもらいたくないんですね。売る立場からすると、やっぱ高いとお客さんが手をひいちゃうので/やっぱちょっと高すぎですね」

野菜の多くが値上がりする中で、2024年は、私たちの食卓にはかかせない国民食「お米」が品薄状態になりました。

夏の暑さと水不足により米の品質が低下し、商品として出荷できるものが少なくなってしまったことなどで、価格も上昇。生産資材や輸送費なども高騰する中、2025年の米の価格はどうなるのでしょうか。JAの担当者に話を聞きました。

(JA静岡経済連 食糧部 長橋 隆史 部長)
「令和5年産が数量も少ない。パニック的に購買したことも相まって令和6年産も早くから購入が始まったため、非常に高いまま値段が推移しているのが現状」「需要と供給ですから、それだけ、そこの地域でほしい人が、この値段でもというのがございますので」「主食、お米の安定供給というのは、当然生産者の安定経営というのが大前提になってきますので」「なかなか(値段が)上がらなかったお米が上がってきたことについては、我々の方は適正価格に向けたことであると考えている」

安定した供給を続けるためにも、値上がりした現在の価格がしばらく続くことになりそうです。

私たちの生活に直結する食品価格。2025年も多くの食品関連で値上がりが予想されています。経済の専門家は値上げの要因として主に3つの要素を上げています。

(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)
「食品の値上げがあるのが、いろんな要素があるが、大きく分けて3つある。1つは世界的な異常気象で農作物や魚介類の不作や不漁が続いたことによって供給量が少なくなった。それからエネルギー資源の高騰であったり、人件費が上昇してきたことで生産費が上がり輸送費が上がったことで様々なコストアップがあった。それと、海外から輸入している物に関しては円安の環境下にあるので輸入物価の上昇によってコストアップ要因になり、そういった物が複合的に絡んで食料品が上がってきたということ」「今後については、当面は、こういった要因が逆になるような動きが見えてこない状況なので、食料品の物価高は当面は続くのかなと思います」

2025年も値上げラッシュの可能性が高まる一方で、明るい兆しが見えるニュースも…。

(静岡市中央卸売市場 初競り)

5日、静岡市の中央卸売市場。新年恒例の「初競り」で市場には全国各地から集まった新鮮な魚が並び、威勢のいい掛け声が響き渡りました。この日のマグロの最高値は、青森県大間産の重さ150キロの本マグロで、なんと495万円で競り落とされました。

(一番マグロを競り落とした山畜 山下 宏之 代表取締役)
「脂ののりもよく、魚の格好がいい、ふっくらしている魅力のあるマグロ」

競り落とされたマグロは“本マグロ”と呼ばれ、新年の初競りで毎年話題となるクロマグロ。そんな高級マグロも、2025年から私たちの食卓にやや身近な存在になるかもしれません。

クロマグロを巡っては、世界的な和食ブームを背景に爆発的に消費量が増えたため、乱獲などにより資源量が減少。その結果、2015年から国際的に漁獲量が制限されてきました。そのかいあって2024年、太平洋クロマグロの資源管理を議論する国際会議で、クロマグロの数が十分に回復していることが確認されたとして、日本の漁獲枠の増枠が承認されたのです。その結果、日本の漁獲枠は、1月から30キロ以上の大型のクロマグロは5割、30キロ未満の小型は1割増えることになりました。

この冷凍マグロで日本有数の水揚げを誇る静岡市清水区にある「河岸の市」。マグロの漁獲枠が1月から増えることで、消費者にとってさらに身近な魚になるのではないかと期待されます。

(マグロを食べに来た客)
「ちょっと値段が高いなというのは正直あります。なので、安くなったら、その分スーパーとか行ったときに安ければ、手が届きやすいのかなと思います」

(マグロを食べに来た客)
「お得に食べたらうれしいとは思いますけど、魚を取る人たちにも利益がそれなりに合ってくれればいいなと思う」

マグロを取り扱うお店も漁獲枠が増えることを歓迎しています。

(丸森 中野 遼平 店長)
「漁獲枠が増えるというのは、取れる量が多くなって、取り扱いも増えるので、我々にとっても扱いが増えて売るチャンスが増えるかなと思いました」「(量が)多くなればいい物が出ますので、いい物が安く提供できればいいなと思います」

では、私たちはいつごろからその恩恵にあずかることができるのでしょうか?

(丸森 中野 遼平 店長)
「五月頃から巻き網漁という大型のマグロを多く取る漁が始まってきますので、そこの枠が大きく拡大されたということで、水揚げ量の増加が期待できます」「マグロは取りに行って戻ってくるまでが、結構長いので、すぐには影響は出ないと思います」

高級魚のクロマグロが、比較的手ごろな価格で私たちの食卓に並ぶのは、2025年の後半頃になりそうです。

最終更新日:2025年1月8日 17:22