【心臓移植】「それでも生きていけるなら」“補助人工心臓”でアルバイト生活 移植を待ち5年…夢をあきらめない女性のリアルな生活 (every.しずおか特集)

日本で心臓移植を待つ患者は約900人。 一方で、2022年度の実施件数は88件と、 移植が追いついていないのが実情です。
湖西市出身のフレンチの料理人の女性は、40歳のとき、突然「劇症型心筋炎」と診断されました。生きるための唯一の方法は「心臓移植」だけ。今は「補助人工心臓」をつけながら移植を待つ日々…死と隣り合わせでありながらも、夢の実現のために、希望を抱き続ける女性の今に迫りました。
畑で野菜を収穫するのは、湖西市に住む鈴木彩乃さん47歳。リュックを背負って作業していますが、中には鈴木さんの心臓を助ける機械が入っていて、これがなければ鈴木さんは生きることができないのです。
鈴木さんはフレンチの料理人として20年以上腕を振るってきました。そして7年前、夢であった「農園レストラン」を開くため、自宅で野菜作りを始めた矢先、風邪かと思い受診した病院で思わぬ宣告をされたのです。
(鈴木彩乃さん)
「あなたの病名は"劇症型心筋炎"だと言われたんですけど、意味もわからないし、病名もわからないし、ずっと天井を見てる日々が1週間くらい続きました」
「劇症型心筋炎」”心筋炎”は心臓の筋肉に炎症が起こり、心臓の機能が低下する病気ですが、その中でも、症状が急激に悪化し、死に至る可能性が高いのが「劇症型心筋炎」です。4年間で8回もの入退院を繰り返し、「死」の不安におびえる中、入院していた大阪の病院で「心臓移植なら助かるかもしれない」と言われました。
(鈴木彩乃さん)
「このまま退院になって、また心筋炎になったら死しかないよって言われて。死を意識したことはなかったんですけど、まだやりたいこともたくさんあったし、それでも生きていけるんだったらいいのかな」
まだまだ生きたいと「心臓移植」を受けることを決めた鈴木さん。当初は3年待てばできるといわれましたが、すでに5年が経過し、今なお、いつできるかはわからない状況です。