【異例会見】中居正広さん女性トラブル巡る問題でフジテレビ“ やり直し会見”…専門家や県内反応は(静岡)
中居正広さんの女性トラブルをめぐる一連の問題で、27日、午後4時から行われたフジテレビのやり直し会見。深夜2時23分まで続き10時間超えという異例の会見に。
その冒頭は嘉納修治会長と港浩一社長の辞任発表からでした。
(フジ・メディア・HD フジテレビ 辞任・嘉納 修治 会長)
「この事態を招きました責任は、私たち経営者にあると思っていまして、私は、本日付でフジテレビジョン、フジ・メディア・ホールディングスの代表取締会長を辞任すること」「また、フジテレビジョン代表取締役ならびにフジ・メディア・ホールディングスの取締役である港浩一も、辞任することといたしました。いろいろ皆様方にはご心配とご迷惑をおかけしました。申し訳ございませんでした」
動画撮影が許されず“閉鎖的”だと批判を受けた会見から10日。“やり直し会見”となった今回は動画撮影OK、取材できるメディアの制限なし時間も無制限というオープンな形で行われました。
(フジテレビ 辞任・港 浩一 社長)
「先日の会見につきまして、一部のメディアに限定し、かつテレビカメラを入れないという判断は、テレビ局としての透明性や説明責任を欠くものでした。これまで、カメラを向けて疑惑を追及してきた弊社が、カメラから逃げたと言われても仕方のないことでした」「大きな判断間違いだったと思います」
その上で、今回のトラブルを把握した当時の対応について…。
(フジテレビ 辞任・港 浩一 社長)
「弊社において、必要な報告や連携適切に行われなかったこと、中居氏に対して適切な検証を行わずに番組出演を継続してしまったこと、本件の背景にあると考えられるタレントや関係者との会食について検証できていなかったことなど、今、振り返れば、対応に至らない点があったと痛感しています」「最終的に、女性は長い療養期間を要することになり、希望していた仕事への復帰がかなわないう状況になってしまいました。弊社に対する様々な思いが積み重なっていたであろうこと、その気持ちをくみ取り切れておりませんでした」「弊社のこれまでの対応が、彼女にとって深い失望を抱かせてしまったのだと思う。申し訳ありませんでした」「願わくば、ご本人にお会いして直接おわびしたいと考えています」
女性に直接会って謝罪したいという意思を示しました。会見では、トラブル前後の経緯で新たに分かったことも。
(フジテレビ 辞任・港 浩一 社長)
「当初は、プライベートな事案なのかというような認識もありました。私のところに報告が上がったのは2か月弱後です」
トラブルがあったのは2023年6月。一部週刊誌では、フジテレビ社員が関与し女性との食事会をセッティングしたと報じられています。その後、女性の様子を気にかけフジテレビの社員が声をかけたことで事案が発覚。そして、港社長に報告があがったのが、約2か月後の8月。その間の7月には、中居さんからフジテレビの社員にトラブルについての連絡があったといいます。2024年12月に、社員の関与などが報じられた後、フジテレビは、当該社員と中居さんに複数回聞き取りを行ったといい、その上で、トラブルがあった食事会について、当該社員は自身の関与を否定。中居さんも、当該社員の関与を否定したということです。ただ、その食事会の前の月の5月、中居さんの自宅でバーベキューが開かれ、そこに、当該社員の誘いで、女性が参加していたことが新たに分かりました。参加者は10人ほど。フジテレビは、現時点で、問題の食事会がこのバーベキューの延長線上にあるとまでは評価するに至っていないということで、第三者委員会の調査に委ねたいとしています。接待という指摘もある、こうした会食についても。
(記者)
Q.「女性アナを意に沿わず食事誘ったことあるか」
(フジテレビ 辞任・港 浩一 社長)
「女性アナ同席の親睦はあった。今、冷静に考えると、優越的上位にある立場の人間が食事に誘ったときに、あまり気が進まなかった人もいたのではないか、いやだったけど、行かざるを得ないと思って来た人も、いたのかもしれないなということに、今となって考えると、もう少し、本人たちの意思の確認を、もう少ししっかりやっていかないとなと思っています」
(記者)
Q.「女性アナの会食、会社としての空気。接待要員」
(フジテレビ 辞任・港 浩一 社長)
「接待要員として、というのは私は考えたことありません」「しかし、すべてがそうかははかりかねるが、会社の風土として、そういう色がついているとは思っていません」
そして、質問が相次いだのは。
(記者)
Q.「ここに、なぜ、日枝がいないのか」
Q.「日枝の責任が重い」
Q.「日枝が会見に出ていないこと。進退を発表していないことについて」
記者から名指しされたのは取締役相談役の日枝久氏。今も、フジテレビで強い影響力を持つとされていて、フジテレビの労働組合が、27日の会見への出席を求めていましたが…、会見場に、その姿はありませんでした。
(フジ・メディア・HD フジテレビ 辞任・嘉納 修治 会長)
「必要な事項を報告相談して知恵を借りることはある。ただ、日常の業務は2人で決めてる。今回のことは、フジテレビの業務の範囲内ですから、ここに出席していないのはそういうこと。取締役会で決まったので、特に日枝がどうこうはない」
(フジ・メディア・HD 金光 修 社長)
「現場には直接タッチしていない立場ではありますが、やはり、その影響力は大きいと思います。また、この企業風土の礎を作っているということは間違いないと思います」「今回の件に、相談役が、直接的な関与という面においては、たぶん、ないんだろうと思います。したがって、直接的関与という意味で、ここに登壇する必然性はないと思いますが、遠因ということでの、この事例をとらえた場合、どうなのかというのは考えないといけない。それは、第三者委員会の調査項目になっているので、2か月待つのかというのはあるが、それが1つの目安」
(記者)
Q.「(当時)日枝に相談したか、してないか」
(フジテレビ 辞任・港 浩一 社長)
「ございません。」「現場周りで起きていますから、相談役の日枝は関係していません」
そして、トラブルを把握した後も、中居さんを番組で起用し続けたことについても追及が。
(フジテレビ 辞任・港 浩一 社長)
「彼女のコンディションの問題、どういうやり方が刺激になるかを、常に見ながらやってきた。休止を決定することが出来たのが、去年の夏以降。それくらいのタイミングから前に進めることができた」
これまでの説明と同じく、“女性への配慮を優先した”としました。そして、本人の口から詳細は語られることなく芸能界を引退した中居さんに対する思いを問われると。
(フジテレビ 辞任・港 浩一 社長)
「私も、怒りという言葉でいいと思います。それは感じました。そういう中で、ずっと進めてきていて、その、だんだん、まだ、細かいことは分かっていませんけども、基本的に怒りは感じながらやっていました」
(記者)
Q.「誰に対しての怒り?」
(フジテレビ 辞任・港 浩一 社長)
「中居氏にも怒りはあると思ってくださって結構です」
今回、嘉納会長と港社長は、一連の問題の対応への責任を取り辞任を発表しましたが、記者からは…。
(記者)
Q.「ほかの役員がやめない理由は」
(フジテレビ 遠藤 龍之介 副会長)
「全員すぐやめると、あすからの業務執行に支障きたす。新しいフジテレビ、暫定的なものです。ある種の役割を終えたら、それぞれが、それぞれの立場で、責任をとっていくことになると思います」
今後、ほかの役員も辞任する可能性に含みを持たせました。10時間以上となる深夜2時23分まで続いた異例の会見。最後、出席した会長らは頭を深く下げ、会場を後にしました。この会見を、企業のリスク管理に詳しい専門家はどのように見たのか。
(企業リスク管理に詳しい 美林大学 西山 守 准教授)
「前回、非常に説明が曖昧だったところが、ある程度時系列的に整理されていたと思います」「本来は、10日前にこれをやれていたらCMが下げられるとか、株主から厳しい要求がなくて済んだ」
一方、会長と社長の2人が辞任したことについては。
(美林大学 ビジネスマネジメント学群 西山 守 准教授)
「現段階で出せる人事としては適切なんですが、3月以降に、また、責任によって処遇は問われると思いますし、その裏側にあるといわれる日枝体制とういうのは、平行して問われると思う」
会見から一夜明け、フジテレビの新社長となった清水氏は…。
(フジテレビ 清水 賢治 新社長)
「一刻も早い信頼回復、それが、私に与えられた責務だと思っています」「真相の究明、問題がどこにあったのか、そして、それらに対する改善策など」「(第三者委の)調査結果を待たずにも我々ができることはやっていかなきゃいけない」
一方、社外取締役の齋藤氏は、28日朝、責任論が指摘される日枝相談役について、次のように述べました。
(フジテレビ 齋藤 清人 社外取締役)
「日枝相談役にも、ご自身で」「(フジテレビを)再生していくための汗をかいていただきたい」「ただし、それの選択肢が、ご自身の出処進退ということであれば、それは、まずは日枝相談役自身がご判断されることかと」
齋藤氏は、その上で、7人の社外取締役が、フジテレビと親会社に対し、取締役会の下に経営刷新のための会議体を新設することなどを求める意見書を提出したと明らかにしました。3月末めどの、第三者委員会による報告を待たず、ガバナンスの立て直しに取り組み、発信するよう求めているということです。
今回の問題を受け村上総務相は…。
(村上総務相)
「きのうの説明を含めて、今後も、さまざまな機会を捉えて、説明責任を果た
すとともに、第三者委員会において、早急に事実関係が明らかにされ、視聴者やスポンサーの信頼が回復されることが必要」
さらに、海外メディアからは、フジテレビの対応や取締役会のあり方などに批判的な報道がでています。イギリスのインディペンデントは、「今後の改革が、フジテレビに対する信頼を回復し、スキャンダルによって露呈した構造上の問題に対処するのに十分かどうかは現時点でわからない」と報じ、フィナンシャル・タイムズ紙は企業ガバナンスの専門家の話を引用し、フジテレビの取締役会について、「平均年齢が72歳で、42年間も取締役を務めている者もいる。これ以上に改革が必要な取締役会があるだろうか」として、改革の必要性を指摘しました。
収束する気配がないフジテレビ問題について街の人は…。
(沼津市・60代)
「時間の割には、あまり意味のない会見だったと思いました」「結局、知りたいことはあやふやにされてしまって、何が起こったのかはっきり分からないし」
(長泉町・30代)
「話せることが限られている中で、同じ質問をされているように感じ
たので、」「第三者委員会が立ち上がるので、そこでクリアになって、しっかり公開してくれれば、視聴者の立場としてはいいかなと思う」
(静岡市・20代)
「テレビ離れというか、そういうご時世の時に、こういう責任問題があるから、本当にテレビがなくなっちゃうのかなと思いましたけど」「
(静岡市・40代)
「中居さんの件も、何が起きてるかわからないじゃないですか。うそか誠か分からないことが、大手メディアからも出てて、何が本当なのかな~と思って僕はみてます」
さらに、フジテレビの系列局でありながら別会社であるテレビ静岡へも影響が出ていることについては…。
「そうなってしまうのは、なんかかわいそうだし、親であるフジテレビ自体が、もっとコンプライアンスに対する感度を持って、本件事案は対処するべきだったんだろうなという風には思いますけどね」
今回の件についての受け止めをテレビ静岡に取材すると、「系列局として事態を大変憂慮しています。第三者委員会でしっかりと調べて検証してほしいと思っています」と、文章で回答しました。また、スポンサー企業への影響については、「影響はあります。営業の詳細につきましては 差し控えさせていただきます」とし、さらに、社内の対応については、「全社員を対象にした完全匿名での『社内アンケート調査』を実施しています」と回答しました。
なお、Daiichi-TVでは、今回の問題を受け、局内で働く社員やスタッフに対し、ハラスメントなど、関連する社内規定や相談・通報窓口に関して、あらためて周知するとともに、制作現場などの業務において、出演者やタレントと不適切な性的接触がなかったかについて、全社員を対象に調査を実施していします。