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【熱海土石流災害】原因・責任論巡り当時副知事で対応した静岡市長が会見“原因は不適切盛り土”“県の責任問われぬ”などと主張

2025年1月30日 17:55
【熱海土石流災害】原因・責任論巡り当時副知事で対応した静岡市長が会見“原因は不適切盛り土”“県の責任問われぬ”などと主張

2021年7月に発生した熱海土石流災害の発生原因を巡り、当時副知事として対応にあたった静岡市の難波市長が、30日、会見を開きました。

30日、熱海土石流の発生原因を巡り会見を行った静岡市の難波市長。

(静岡市 難波市長)
「改ざんとか隠すという意図はありません、これは、はっきり申し上げる」

2021年7月3日、熱海市伊豆山で発生した土石流災害では、災害関連死を含め28人が犠牲となりました。当時、難波市長は副知事として土石流対応の陣頭指揮をとり、副知事退任後も、県の理事として対応にあたりました。そして2022年9月、調査の報告書をまとめています。

この調査結果の情報開示を求めていた、一部の被災者や有識者からなる団体が、1月10日に開いた会見で、‟重要な情報が非公表”だったと指摘していました。

(土木設計エンジニア  清水 浩 氏)
「原因究明においては、その後の対策とか大きな影響を与えてくるので、県が今やっている対策が不十分ではないのか」「県議会に再度、原因究明からやっていただきたい」

会見で指摘したのは、発災から6日後に行われた県の熱海土木事務所による現地調査。県が許可した宅地造成区域内の側溝を確認したところ一部に土砂がたまり雨水があふれ、崩落地側に流れ出た可能性があると報告されていて写真も残されていたといいます。

しかし、報道発表では、「水路から雨水があふれて崩落地に流れ込む可能性は否定できないが、調査日では、その形跡は見られない」としていて、これが「排水施設からの流水を過小評価し責任回避の可能性がある」として、県議会に対し再調査を求める要望書を提出しました。

こうした声を踏まえ、30日、難波市長は。

(静岡市 難波市長)
「事実は何かというのを説明することが県の責任者当時副知事だったが、行政対応にかかわったものの責任だと思っている」「改ざんとか隠すという意図はありません。これははっきり申し上げる」

隠ぺいや改ざんなどの可能性を指摘されていることが、静岡市長としての信頼に関わるとして、静岡市政の責任者としての立場と専門的知見を持つ大学の客員教授としての2つの立場から会見に立った難波市長。土石流の発生メカニズムなどについて、ペットボトルなどを使いながら、約2時間にわたり説明しました。1月10日の会見で、指摘されていた宅地造成が土石流の発生に与えた影響について…。

(静岡市 難波市長)
「側溝が壊れているのは事実。詰まっているのは事実」「でもしょせん側溝なので、この側溝の水があふれたことで、5万立方メートルの土砂が崩壊する現象は、とても考えられない」

発生原因については…。

(静岡市 難波市長)
「不適切な盛り土が行わなければ土石流は発生しなかった。宅地開発は、水が逢初川に、より多く集まる状態をつくったが、宅地開発者や、その開発の許可者が、盛り土による土石流発生の責任は問われることはない」

宅地造成により川の水量に変化はあったものの、土石流の原因は宅地造成後に置かれた“不適切な盛り土”だと反論。宅地造成を県が許可したことは問題なかったと述べました。また、再検証の必要性について…。

(難波市長)
「あくまで私は再検証が必要かどうか事実を述べたので、この事実を見ていただいてどう判断するかだと思う」

再検証の必要性については明言は避け、県や議会への判断にゆだねた難波市長。今後の議論の進展に注目が集まります。

最終更新日:2025年1月30日 17:55
    静岡第一テレビのニュース