【リニア】JR東海によるボーリング調査が山梨側から静岡県域に到達…鈴木知事「予測の範囲内で進ちょく」
リニア新幹線のトンネル工事を巡り、山梨県側から実施されていたボーリング調査について、JR東海は20日、静岡県内に到達したことを明らかにしました。
リニア新幹線の南アルプストンネル工事を進めるにあたり、工事区間の地質や地下水の状態を調べるため、JR東海が2023年2月から山梨県側から静岡県側に向けて進めているボーリング調査。JR東海は、20日、山梨県側で実施しているボーリングの調査が県境を越えて県内に入ったと発表しました。
このボーリング調査を巡って、静岡県は川勝前知事が在任中、「水の流出や環境に影響を与える懸念がある」と主張し、一貫して県境300m手前からの調査を認めませんでした。
(川勝 前知事)
「水が溜まっているところに穴をあけていくので何が起こるか分からない」
しかし、川勝前知事の辞任直後、環境影響などを検討する県の専門部会で議論が前進。これまで難色を示していたボーリング調査の実施を「技術的に問題がない」と評価し、容認しました。
(県専門部会 森下 祐一 部会長)
「JR東海が計画している高速長尺先進ボーリングは、提示された湧水管理やモニタリングが確実に行われることで一定のリスク管理がなされると、技術的な観点から確認ができた」
また、鈴木知事は就任後、JR東海の丹羽社長や国交省の斉藤前大臣と面会、静岡工区の工事予定地を自ら視察するなど、”リニア問題”に積極的な姿勢を示していました。こうした中、9月、大井川流域市町などで構成する利水関係協議会から了解が得られたことから、鈴木知事はJR東海に対して県内のボーリング調査の実施を認めました。
山梨県側から静岡県側に向けてボーリング調査が進められている中、JR東海は20日、ボーリング調査が県境を越えて静岡県内に入ったことを発表。午前8時時点では、県境から3メートル進んだということです。
ボーリング調査が県境を越えたことに鈴木知事は、「これまで大きな湧水もなく、JR東海との対話の中で示された予測の範囲内で進ちょくしているものと受け止めている」とコメントする一方、JR東海には引き続き「県専門部会で示されたリスク管理等を確実に実施すること」や、「不測の事態は速やかに報告し、対応について協議会の了解を得ること」など3点の対応を求めました。