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【奮闘】復旧費用は“19億円“ 大雨被害で全線再開の見通しが立たない「大井川鉄道」…再生のための課題とは?(every.しずおか特集)

2023年12月4日 13:37
【奮闘】復旧費用は“19億円“  大雨被害で全線再開の見通しが立たない「大井川鉄道」…再生のための課題とは?(every.しずおか特集)

SLやトーマス号を目当てに、多くの観光客が訪れる「大井川鉄道」。しかし、その運行区間は全体の半分だけ。2022年9月の大雨による被害で、残り半分は再開のめどすら立っていません。復旧費用は、なんと19億円…。コロナ禍以降、赤字経営が続く中、とても捻出できません。もう再開する方法はないのか?そのヒントが熊本にありました。自力復旧が絶望的な大井川鉄道で全線再開はできるのか?復活を信じて奮闘する人たちと、課題を追いました。

記録的な大雨被害、一時全線不通に

2022年9月、台風15号の”記録的な大雨”により、甚大な被害が出た大井川鉄道。金谷駅から千頭駅までの全区間が不通となる非常事態に。

その後、比較的被害が少なかった金谷~家山間で運転を再開し、被災から1年が経った10月1日、家山から2駅分の川根温泉笹間渡までがようやく再開しました。

(運転士)
「久々に運転しているので懐かしいなと。1年ぶりなので、ちょっと楽しみにしてここまで来ました」

(東京から来た鉄道ファン)
「一部とはいえ再開すると聞いたら矢も楯もたまらなくなって、第一列車に乗りに来ようと思いました」

しかし、残りの半分の区間は再開の見込みすらたっていません。

コロナ禍で赤字経営が続く中、復旧のめどはたたず…

(大井川鉄道 広報 加冷英鵬 さん)
「当社の敷地外から流れ込んだ土砂で(線路が)埋まってしまっています」

不通区間には、このような大きな被害が20か所もあり、その復旧には約19億円かかると見込まれています。

大井川鉄道はそのほとんどが観光客からの収入のため、コロナ禍以降、赤字が続き、その額は8億円近くにものぼります。とても19億円もの復旧工事を自力で行うことはできません。県などに支援を求めていますが、いまだ具体的な動きはありません。

大井川鉄道の恩恵を受けてきた沿線にとっても、運休は死活問題です。こちらの食堂でも…。
 
(三ツ星村 渡辺育枝 さん)
「大井川鉄道が通っていないとお客さんも少ない。今まではトーマスや機関車を撮影する人が寄ってくださったんですけど…なんとかならないかなと思います」