ミグ25戦闘機で函館空港に飛来 ベレンコ元中尉がアメリカで死去 旧ソ連軍の最新鋭機で着陸
いまから47年前の1976年、当時の冷戦下のソ連から北海道・函館空港にミグ25戦闘機で飛来したベレンコ元中尉が、亡命先のアメリカで死亡しました。
旧ソ連軍のベレンコ元中尉は1976年9月6日、函館空港に当時の最新鋭の戦闘機ミグ25で着陸しました。
スクランブル発進した自衛隊機は、超低空で侵入したミグ25に対応できなかったということです。
降り立ったベレンコ元中尉は亡命を希望し、アメリカに移りました。
死亡を報じたアメリカのニューヨークタイムズによりますと、アメリカでのベレンコ元中尉は航空宇宙企業や政府機関で働き、冷戦終結後は航空ショーにも出演するなどしていたということです。
かつてSTVの取材に対し、函館空港着陸時の様子を語っていました。
(ベレンコ元中尉)「最初は超低空で飛びソ連防空網から逃れ、日本に近づいたら高度を上げ自衛隊の迎撃機に見つけてもらう計画だった。しかし、自衛隊機は来なかった。燃料が少なくなったので函館に着陸しました。」
ベレンコ元中尉は、9月24日にイリノイ州の老人ホームで76歳で亡くなりました。
この訃報についてロシアメディアは「ソ連から戦闘機をハイジャックした裏切り者ベレンコは、2か月前に米国で息を引き取った。ベレンコは、ソ連の敵対勢力に当時の新型機を徹底的に研究する機会を与えた」と伝えました。
1950年から60年代にかけては米ソが軍拡競争を繰り広げた時期で、ミグ25戦闘機を手に入れた当時のCIA中央情報局のジョージ・ブッシュ長官は、「大当たりだ」と喜んだとされています。