北海道でも60センチの津波を観測 津波の怖さと寒さへの備えを 災害から命を守る
元日の夕方に発生した北陸地方での地震により、北海道にも津波が到達しました。
津波の勢いの強さ、そして冬に避難するときのポイントを改めておさらいします。
新年の祝賀ムードは元日の夕方、突然一転しました。
最大震度7の強い揺れが発生し、大津波警報が発表されました。
多くの建物が倒壊し、死者は80人以上に及んでいます。
さらにー
(防災無線)「津波注意報が発表されました」
瀬棚港には道内で1番高い60センチ、また奥尻港では50センチなど各地に津波が到達しました。
数十センチの高さの津波とは一体どれほどの強さなのでしょうか。
記者が水槽の中に入って津波の勢いを体験します。
まずは30センチ程度の高さの想定です。
(根本記者)「耳で聞くよりもはるかに多くの水が流れて来たという印象でした。綱に捕まっていないと体が流されてしまうような勢いだったのですが、体が完全に横になってしまうほどではなく、何とか顔を水から出していられるような勢いでした」
続いて、今回奥尻島に到達した50センチ程度の想定です。
(根本記者)「1回目の30センチ程度というのと比べて、数字だけでいえばそんなに変わっていないようにも聞こえるのですが、感じる津波の勢いは倍を超えるような、ものすごい勢いの衝撃となりました」
(中央大学理工学部 有川太郎教授)「20~30センチくらいでも軽い人なら十分流れてしまうような力があるのですが、50センチを超えてくるとその3~4倍くらいの力があるので、そうすると成人男性でも流されてしまう。たかだか数十センチと思わずに、十分に人を流すような力があると思ってほしい」
道内へ発表された津波注意報を受け、避難してきた人はー
(避難した人)「以前にも海水が迫ってきたときがあったので、危険地域なので身の安全をと思い避難しました」
函館市によると、およそ30人が避難をしていました。
また北海道危機対策課によると、函館市以外の7つの町でも避難所が開設され、150人以上が自主避難。
岩内町では室内でも防寒着を着て過ごす人の姿が見られました。
真冬の地震への備えは寒さへの対策が必要不可欠です。
専門家は、災害関連死のひとつに低体温症で命を落とすケースがあるため、4つの要素を保てるよう準備が必要だと話します。
(日本赤十字北海道看護大学 根本昌宏教授)「低体温症対策の基本は、遮へい物の中に入る・保温をする・加温をする・食べ続ける、この4つの要素。この4つの要素をバランスよく保てば低体温症になることはおそらくない」
遮へい物、つまり室内での生活をすること、保温をするための防寒具を身につけ、簡易的に体を温める加温グッズや体温を維持するためにまとまった非常食を準備しておくと、冬の寒さをしのぐことにつながるということです。
真冬に発生した巨大地震。
津波の怖さと寒さへの備えを改めて見つめなおす機会かもしれません。