「ガタガタと音がした」相次ぐ脱落事故 なぜ左側のタイヤばかりが…道路の構造が要因 北海道
北海道では5日に走行中の車からタイヤが外れる事故が相次ぎました。
外れたタイヤはいずれも左側。
取材を進めると、左側のタイヤが外れやすい原因がありました。
道内では5日、タイヤの脱落事故が相次ぎました。
いずれの車も冬用タイヤに交換したばかりー
千歳市で走行していた男性は「ガタガタと音がした」と異変を感じたということです。
脱落事故は2023年もー
(百瀬記者)「札幌市北区の交通量の多い道路です。黒い乗用車の左前のタイヤが外れた状態になっています。さらに奥には外れたタイヤも確認できます」
タイヤ交換を迎えたこの時期から事故が相次ぎました。
札幌市西区では歩道にいた当時4歳の女の子に外れたタイヤが直撃。
女の子はいまも意識不明の重体です。
これは道内のタイヤ脱落事故の件数です。
タイヤ交換が終わったこれからの時期に事故が多発しているのがわかりますが、注目はタイヤが外れた箇所です。
66件のうち62件が“左側”のタイヤが外れていました。
なぜ左側ばかり外れるのかー
そのわけは、道路の構造が大きく関係していました。
(近畿大学 梶原伸治准教授)「つねに(左側には)負荷がかかりっぱなしになるので、負荷がかかるとねじ(ナット)が緩みやすくて、タイヤが取れやすいと言える」
専門家によると、道路は断面から見ると、排水のためかまぼこ型になっています。
車は、若干傾いた状態で走行していて、つねに左側に負荷がかかります。
このため左側のナットが緩み、タイヤが外れやすい原因になるということです。
外れないために大切なのは、タイヤ交換をしたあとしばらく走ってから点検をすることだといいます。
(JAF札幌支部 事業課 安藤純一係長)「走行することで緩みが出る場合があります。目安として50キロから100キロ程度走行したところで、もう一度適正な力で締め付けがされているか、(ナットの)緩みが出ていないか確認していただくことが必要です」
これまでに残っていたさびや汚れなどが走行中の振動で取れ、すき間ができてしまうため、そのすき間を埋めるいわゆる「増し締め」が必要だということです。
(JAF札幌支部 事業課 安藤純一係長)「ちょっと体重をかけて緩みがないか確認するだけでも十分効果はある。タイヤの脱落防止には必ず必要なチェックポイントです」
注意が必要なこの時期。
事故を起こさないためにも、運転手自身やスタンドなどで走行前の点検をすることが重要です。