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人の生活圏に侵入繰り返す 問題グマの駆除・捕獲訓練 ドングリ不足で出没警戒 札幌市

2023年10月27日 18:37
人の生活圏に侵入繰り返す 問題グマの駆除・捕獲訓練 ドングリ不足で出没警戒 札幌市

札幌市南区でクマの出没が相次いだことをうけ、国や道、市などが合同で本格的なクマ出没対応訓練を実施しました。

ことしは猛暑の影響によるエサ不足などにより、これからの時期もクマの出没に注意が必要です。

ことし6月、札幌市南区南35条西11丁目付近の藻岩山の斜面で確認されたクマです。

周辺ではその後も、住宅街に隣接する山林や住宅の庭などでクマの出没が相次ぎました。

(ハンター)「もう1頭出てきた場合に、それに対しての捕獲も緊急避難として許可いただけるのか」

訓練はまず、クマの目撃情報が寄せられた場合の連絡の流れを確認し、警察や札幌市など関係機関が連携してどのように対応するのか協議しました。

札幌市ではことし4月から10月26日までに、市内全体でクマの目撃や足跡、フンなどの痕跡が189件確認されています。

すでに前年度の162件を大幅に上回っていて、このうち125件が南区です。

先月、札幌市南区南沢の南沢トンネル付近の斜面に3日間にわたって出没したクマは、人の生活圏に侵入を繰り返す問題個体と判断され、駆除されています。

きょうの訓練では、南区のスキー場や周辺の市街地にクマが断続的に出没した想定で、より実践的な捕獲訓練も実施されました。

(鷲見記者)「いまハンターがクマの捕獲に向けて山の中に入って行きました。まわりを確認しながらゆっくりと進んでいきます」

現地でクマ役の人を探索し発見すると、銃が使用できる場所にクマが移動するまで見守ります。

(ハンター)「ただいまクマの姿を肉眼で確認」

(札幌市)「準備ができたら発砲していただいていいです」

周辺の安全を確保した上で発砲し捕獲しましたが、訓練を通して課題もみえてきました。

(道・野生動物対策課ヒグマ対策室 武田忠義主幹)「出没が続いているところなので関係者の皆さま対応に慣れていたと思います。今後ほかの地域にどうやってこのノウハウを広げていくかが重要なポイントかと思います」

ことしは猛暑の影響でエサとなるドングリなどが不足しているため、本来であれば冬眠の時期を迎えるクマが出没を繰り返す可能性もあるため、引き続き注意が必要です。