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「残酷すぎて胸が張り裂けそうに」遺族訴え 女性教諭殺害事件の裁判 元交際相手に懲役20年求刑  北海道釧路町

2023年12月13日 14:21
「残酷すぎて胸が張り裂けそうに」遺族訴え 女性教諭殺害事件の裁判 元交際相手に懲役20年求刑  北海道釧路町

13日の北海道・釧路地裁の法廷に、藤山被告は前日と同じ紺色のズボンからワイシャツの裾を出し、丸刈りのマスク姿で姿を現しました。

◆殺人・住居侵入・銃刀法違反
元介護職員の藤山功至被告37歳はことし5月3日夜、北海道釧路町のアパートの一室に侵入し、この部屋に住む元交際相手の女性教諭(39)を包丁で殺害した罪などに問われています。

◆事件の経緯
藤山被告は犯行当日、下見を繰り返したうえで合間に包丁2本を購入しました。

4回目の下見で不在を確認後、勝手に複製した合鍵で女性の部屋に侵入。

女性が帰宅したところを、隠れていたクローゼットから飛び出し、胸を2度刺したうえ、馬乗りになり、さらに首を刺したとされています。

藤山被告は淡々と淀みなく説明し、この事実を認めています。

◆被害女性の遺族の感情
裁判2日目は被害女性の両親が、事件当時や現在の心境を弁護士を通して訴えました。

「大切な娘を奪われ今も苦しい日々が続いている。犯人を許せない」

「遺体と対面した時は残酷すぎて胸が張り裂けそうだった。幸せな時間を突然奪われた」

「死刑に処すべき。」

この間、約10分。

藤山被告はほとんど表情を変えることなく前を向いて聞いていました。

◆求刑
この後、検察側は「犯行には高い計画性と強い殺意があり冷酷で残忍。女性に落ち度は一切なく、動機にも酌むべき事情はない」として懲役20年を求刑しました。

藤山被告は、交際中にスマホゲームに課金するため女性のクレジットカードから20万円以上を不正利用したことがばれて関係が破綻。

さらに部屋のカギを勝手に複製し、犯行当日に使用したことを認めています。

別れた後も復縁を望み、頻繁に連絡していましたが、女性から母親を通じて、「今後いっさい関わらない」と約束する念書を渡されて激怒。

「プツンと切れるものがあり復縁はもう無理」とあきらめ殺害を決意したといいます。

◆判決のポイント
遺族が極刑を望む中、同様の事件の例を挙げながら懲役20年を求刑した検察側。

弁護側は自首が成立し、犯行を認め心療内科のカウンセリングを受ける意思をみせるなど、反省を深め更生の意欲があるとして刑を軽くするよう求めました。

「かけがえのない大切な娘との時間を突然奪われ苦しい日々が続いている。極悪非道な犯行で娘の無念を晴らしたい」と訴える遺族。

裁判の最後、藤山被告は「女性を殺し、身勝手で命と未来を奪ってしまい申し訳ない。自分で言うのもおかしいが、重い刑罰を与えて欲しい。冥福を祈ります」と語りました。

判決は12月15日に言い渡される予定です。

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