【詳報】「自ら積極的に暴行」大学生暴行死 主犯格は18歳の男 逆送の理由明らかに 札幌家裁
北海道江別市の公園で2024年10月、大学生の長谷知哉さんが集団暴行を受けて死亡した事件で、検察官送致(逆送)となった16歳から18歳の男と少年あわせて4人について、札幌家庭裁判所は逆送とした理由の要旨を明らかにしました。
札幌家裁は、4人の暴行を「一貫して無抵抗であった被害者に対し、長時間かつ執拗になされた相当強いもので、人を死に至らしめる危険が高いもの」と指摘。
その上で、死亡した長谷さんについては「暴行を受けなければならないような落ち度がないにもかかわらず、少年らに長時間一方的に攻撃され、金銭などを奪われた上、最終的に生命を落としたのであって、その肉体的・精神的苦痛は計り知れない」とし、「結果は取り返しのつかない極めて重大なもの」と指摘しました。
一方、犯行の内容として、アルバイト従業員の男(18)を「自ら率先して被害者に積極的に暴行を加え、被害者を死亡させた」として「主犯格というべきである」と指摘し、「被害者への暴行や強取に至った動機は身勝手極まりなく、酌むべき点は皆無であり、その意思決定は厳しい非難に値する」と断じました。
そのほかの3人についても共通して「強盗致死事件の犯情は重い」とした上で、
▼高校生の男(18)は「被害者が地面に倒れ込むほどの勢いで飛び蹴りしたり、逃亡しようとする被害者の首に自らの判断でハイキックをしたりした」
▼アルバイト従業員の少年(17)は「被害者の顔面や腹部を手拳で殴る、腹部や後頭部を蹴るなどの強度の暴行を何度も加えるなどした」
▼アルバイト従業員の少年(16)は「自ら被害者の腹部を強く蹴ったほか、共犯者から指示された際にも同様の暴行を加えている」
などと、それぞれが及んだ行為を明らかにしました。
これらの理由から、いずれも刑事処分が相当だとして、事件を検察に送り返す決定をしました。
今後は札幌地検が少年ら4人を起訴するかどうかが焦点となります。