交際相手ら女2人 より刑罰の重い強盗致死などの罪で起訴 暴行の様子も撮影 大学生暴行死事件
北海道江別市で10月、男子大学生が集団暴行を受け死亡した事件で、傷害致死などの疑いで逮捕していた交際相手の女ら2人を、札幌地検は、より刑罰の重い強盗致死などの罪で起訴しました。
(渡辺カメラマン)「公園内では鑑識による現場検証が行われています」
2024年10月。
千歳市の男子大学生・長谷知哉さんは、変わり果てた無残な姿で発見されました。
この事件に関与していたのが、交際相手の女と少年ら6人。
札幌地検は6日に女2人を起訴しました。
強盗致死と詐欺などの罪で起訴されたのは、長谷さんの交際相手・八木原亜麻被告(20)と川村葉音被告(20)。
2人は当初、傷害致死や強盗などの疑いで逮捕・送検されていましたが、札幌地検は、より刑罰の重い「強盗致死罪」を適用しました。
起訴状によりますと、2人は少年4人と共謀して、10月25日から26日までの間、江別市内の公園で長谷さんに対し、「全部出せ。全額」「クレジットカードもな」などと言って現金やカードなどを奪った上、顔面や腹部を殴る蹴るなどの暴行を加えて死亡させたとされています。
なぜ長谷さんの命を奪ったのかー
当時の状況がさらに明らかになってきました。
10月25日午後11時ごろ。
事件直前、交際関係にあった2人が映る防犯カメラの映像です。
前を歩く八木原被告と、その後ろを追いかける長谷さん。
映像の中にはどこかを指差し、向かっていく様子が映っていました。
この映像からおよそ7時間後。
閑静な住宅街の公園で長谷さんは見つかったのです。
(第一発見者)「(どんな状態で発見した?)裸だ。人形かなと思ったんだけど、まさかなと思ってもう一回戻ったんだよね」
事件の背景にあったのが、長谷さんと八木原被告の“交際関係のもつれ”です。
長谷さんは25日午後10時ごろ、千歳市からJR大麻駅周辺に到着。
アルバイトを終えた八木原被告の自宅に向かいます。
「長谷さんに1年後に別れることを切り出され、その相談のために会った。今後の2人の関係について会話をする中で不満が募っていった」
その際、八木原被告は友人の川村被告に「別れ話でもめている」という趣旨の電話をしていました。
2人の状況を知った川村被告は、一緒にいた少年4人と車で移動。
一方、八木原被告と長谷さんは現場から数百メートル離れた別の公園付近に向かい、川村被告らと合流しました。
その後、全員で現場となった公園に移動。
長谷さんに対する激しい暴行が始まったとみられています。
(山本記者)「被告らは暴行中の動画をスマートフォンで撮影していましたが、そこには残忍な犯行の様子が映っていました」
捜査関係者によりますと、動画には、長谷さんに対して八木原被告との交際を巡るトラブルについて因縁をつけ、無理やり謝罪させている様子が映っていたということです。
八木原被告は当時の状況について…
「直接は加担していないが、ほかの容疑者が暴行する様子を笑ったり、あおったりした」
一方、川村被告はー
「自分も暴行をしている」
川村被告と少年4人が中心となり、暴行を加えたとみられています。
暴行の途中、八木原被告と川村被告は一時現場を離れ、江別市内のコンビニへ。
長谷さん名義のクレジットカードを使い、タバコなどを購入します。
さらに、犯行後の26日未明、川村被告と少年4人は札幌市内のコンビニに移動すると、奪ったキャッシュカードでATMから現金12万7000円を引き出しました。
(山本記者)「被告らは暴行中に長谷さんのキャッシュカードの暗証番号を聞き出し、口座から現金を引き出しました。その一部は飲食や買い物に使っていたということです」
別れ話をきっかけに20歳の命や金品を奪った凄惨な犯行は、刑罰の重い強盗致死罪にー
真相の解明は司法の場へと移されることになります。