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検証!なぜ大規模立ち往生が相次ぐ?石黒記者が吹雪のマチで得た「答え」と「対策」

2024年2月9日 18:54
検証!なぜ大規模立ち往生が相次ぐ?石黒記者が吹雪のマチで得た「答え」と「対策」

2024年1月、北海道内を襲った暴風雪がまだ記憶に新しいですが、車の立ち往生が相次いでいたのが、札幌の隣町・当別町の町道や農道です。

なぜ数十台という大規模な立ち往生が発生するのか取材しました。

(石黒記者)「当別町では体を押されるようなすごく強い風が吹いています。その影響で雪が舞いあげられ、すごく視界が悪くなっています」

先週(2024年1月29日~週)、日本海側を襲った暴風雪。

当別町内はホワイトアウトとなり、運転に恐怖を覚えるような状況が続いていました。

まっすぐ歩くことがままならないほどの強い風です。

取材中にも立ち往生している車がありました。

後ろから来たトラックのドライバーが助けに入り、車を押して助け出そうとしますが、タイヤが滑り前に進むことが出来ません。

(助けに入ったトラックドライバー)「向こう側の橋の通りで事故があったらしいんですけど、こっちに回されたんですよ。なるべく裏道は通らないようにしていたんですけど、回されて回されてこっちに来たもんだからどうにもならなくて」

結局自力では動かすことができず、町に除雪を要請。

およそ1時間後に除雪車が到着すると、無事雪の中から脱出することができました。

(立ち往生したドライバー)「無事脱出出来て助かりました。本当にアンラッキーでしたね」

当別町では先月にも、暴風雪の影響で30台以上の車が立ち往生しています。

実際に立ち往生したことがある女性はー

(立ち往生した人)「雪が深くないのに前にも後ろにも行けない。夕方6時から朝の6時前ずっと1台でいた。除雪の方や警察と消防に感謝の気持ち」

立ち往生はどのような場所で発生しているのかー

現場を取材すると、周辺の環境に特徴がありました。

(花川南交番 三橋裕二所長)「見ての通り右と左が何も建物がない状態だと風が通る。通った風と一緒に地吹雪のように雪が道路を埋めてしまう。するとそこに堆積した雪が車を通れなくするくらいたまってしまうということになります。きょうは本当にスタックしやすい天候ですね。これで夜になると何も見えなくなるので、非常に危険な状態になると思います」

先ほどの立ち往生があった現場を見てみると、たしかに左右に建物はなく、強い横殴りの風が吹いていました。

当別町を通る国道275号と337号が渋滞したときに抜け道として使われる町道や農道ですが、周りには畑が広がっているため吹きだまりになりやすく、車が立ち往生するケースが非常に多いといいます。

当別町では町道や農道の除雪の難しさに理解を求めています。

(当別町危機対策課 北村浩二課長)「除雪もくまなく実施しているが、幹線道路の場合、始点と終点を止めればそれで済むが、当別町の町道は数百メートルおきに碁盤の目に走っておりまして、どこを止めてもう回路はできてしまうと」

場合によって命に危険もある「立ち往生」。

悪天候で雪道を走るときはスコップや防寒着を車に積んでおくなど、もしもの時のために備えておくことが重要です。