集まれ未来の救急救命士! 地方消防署で人手不足 魅力伝える就職説明会 北海道
人手不足の課題について、地域の消防署でも危機感を募らせています。
就職することがその地域に住むことに繋がるため、学生にとってハードルが高いといいます。
マチの魅力を伝える新たな就職説明会を取材しました。
けが人などに応急処置を施す「救急救命士」を育てる専門学校です。
この日行われていたのは、2・3年生を対象にしたオンライン就職説明会。
多くの学生が見つめる画面の先に映っていたのはー
(消防署職員)「士別消防署の救急科を担当しています」
(消防署職員)「摩周湖や屈斜路湖、硫黄山、川湯温泉がある町の弟子屈消防署です」
この説明会に参加していたのは、人手不足が深刻な15の地方消防機関です。
救急救命士のほとんどは消防署に就職するとその地域で暮らすことになるため、地方への就職にハードルを感じる学生が多いといいます。
(北海道ハイテクノロジー専門学校 救急救命士学科 吉田英明さん)「学生個人が思い描いている将来というのがありますので、そことうまく結びついていない部分がある。実際のそのマチの特徴ですとか、消防署の雰囲気なんかを伝えていただければ、また受験意欲の向上につながるのではないか」
この日、オンライン説明会に意気込む消防署がありました。
日高東部消防組合です。
本部のある浦河消防署には現在35人の職員がいますが、その内救急救命士はわずか10人。
その一方で、高齢化を受けて去年1年間の救急搬送件数は過去最高の600件を超えていて、早急な人材確保が求められています。
(浦河消防署 柏木茂樹署長)「(学生には)漁業の町というのも十分アピールして、食はおいしい、気候は温暖で非常に住みやすいマチだなというところを、ぜひアピールして知っていただきたい」
そしていよいよ迎えた説明会。
画面の向こうには100人以上の学生たちが耳を傾けています。
伝えたいのはマチの魅力と地方での仕事のやりがいです。
(浦河消防署職員)「夏は涼しく冬は雪も少なくとても過ごしやすい環境であるのと、マチの人々はとても温かいですし、暮らしやすいマチだと思います」
(専門学校のOB)「火災に関しては海外研修に行っている職員は北海道に2人しかいないですけどその2人がうちにいます。世界・海外の知識とかも直接学べることができる環境にもあると思います」
説明会を終え、学生たちは新しい選択肢が増えたと感じたようです。
(生徒)「自分は1番行きたい所があったんですけども採用とかがなくて、今回初めて知る消防もあったので、興味をもてたりしてよかったと思います」
(生徒)「いろんな消防署の話を聞けて、(地元の)小樽から出て他の消防署で働きたいなとも思っています」
仕事のやりがいとともにマチの魅力も伝える。
人手を確保するためには若者の心を動かす新しい試みが大切となっています。