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1人4役で無駄なく仕事 寿司を握る外国人も ホテルの人手不足解消に工夫 北海道

2023年12月11日 18:32
1人4役で無駄なく仕事 寿司を握る外国人も ホテルの人手不足解消に工夫 北海道

新型コロナの影響を乗り越え、国内旅行客や海外からの旅行客が急増するなか、北海道のホテル業界では、スタッフの人手不足に対応するために、これまでとは違った“働き方”が広がっています。

阿寒湖と雄阿寒岳の絶景が広がる、道東・阿寒湖畔の温泉ホテルです。

(スタッフ)「いらっしゃいませ。お疲れ様でございました」

このホテルでは外国人スタッフが従業員のうち3割を占めるなど、いまや欠かせない“戦力”です。

フロント業務だけでなく、寿司を握る外国人スタッフも!

複数の言語を話せる即戦力として、海外からの宿泊客も戻ってくるなか、活躍の場は広がっています。

(武田記者)「従業員食堂です。昼時には食べ物が並びますが、宗教上食べられない外国人のために肉の種類を絵で表記しています」

全国のホテルで人材の獲得競争が激しくなるなか、「外国人にも選ばれる職場」とならなければホテルも生き残れません。

(鶴雅リゾート 海外人材担当 千葉聡さん)「このコロナ禍で大きく人手不足という形となりまして、(外国人スタッフを)徐々に増やしています。できるだけ彼らが働きやすい、もっと地域の人と協和していけるように、色んなイベントに参加して町の1人となってほしい」

白老町にあるリゾート温泉ホテルでも働き方が変わってきています。

(界 ポロト 藤野真司さん)「お越しいただきありがとうございます」

フロントでチェックイン業務を行う藤野真司さんです。

藤野さんは、フロント業務が落ち着く時間帯にはベッドメイキングなど清掃業務をこなします。

(界 ポロト 藤野真司さん)「部屋の設備も毎日清掃に入っていることで、お客様の部屋の使い方も観察してサービスに反映させたりできるので、非常にそこは普段の業務にも役立っています」

清掃業務が終われば地元の情報や文化を宿泊客に伝える業務もあり…

さらには食事に関わるサービスも兼任するという1人4役の働きぶり!

これが、このホテルの働き方「マルチタスク業務」です。

一見大変そうですが、労働環境の改善に大きく役立っているといいます。

宿泊施設の働き方の一般的な慣習では、それぞれの業務を専業の従業員が行います。

客室の清掃はパート従業員などが請け負うと、フロント業務を専業で行う従業員は清掃の時間が「空き時間」となります。

このような慣習が拘束時間の長さにつながるなど課題となっていました。

(界 ポロト 久保貴弘総支配人)「スタッフが施設全体のサービスを理解していることで、客からの要望や質問にすぐに対応することができる。それが結果としてお客様の満足につながる」

人手不足に悩むホテル業界。

新しい働き方は、活気を取り戻しつつある道内の観光業のモデルケースとなりそうです。