人手不足のタクシー業界 豊かな人生経験を持つシニアに注目 ベテランが活躍 北海道
ドライバーの時間外労働を規制する、いわゆる「2024年問題」を前に、人手不足が深刻化するタクシー業界で、豊かな人生経験を持つシニア人材がいま注目されています。
札幌市のタクシー運転手・越智清和さんは62歳。
ゴールド免許歴・実に28年です。
お客さんを知らせる無線が鳴りました。
乗客は大学の先生。
出勤にタクシーを利用するといいます。
(客)「朝、これからやるぞという気持ちになる。交通機関だとなかなか座れないし」
確かな技術と気さくな人柄。
ベテランならではの接客で乗客からの評判も上々。
実は越智さんは、タクシードライバー歴としてはまだおよそ4年。
元々は居酒屋を20年間経営していました。
ドライバーの時間外労働を規制する「2024年問題」を前に、タクシー業界の人手不足は深刻です。
実はいま、越智さんのように他業種から転職してきた人材、そしてベテランの人材が業界の危機を救うのでは…とも言われています。
(フジ交通 香山真輝 常務取締役)「タクシー乗務員という仕事は地域住民の足を守るので、安全安心に地域公共交通機関としての役割を求められている。そういった中でシニアの方については様々な経験を積んでいるので、お客様からも評判がいいです」
札幌市内のタクシー会社6社が集まり、ベテランドライバーの座談会がチカホで開かれました。
ベテランが活躍できる業界だとアピールすることが目的です。
(ベテランドライバー)「シニアの方に言わせれば、第二・第三の人生をタクシーで一生懸命楽しく生活していけると伝えたい」
(ベテランドライバー)「ものすごく働きやすいと思います、タクシー業界」
越智さんの出社は日が明けきらない午前6時半。
アルコールチェックや車体の確認はプロの視点で毎日厳しく行っています。
(フジ交通 越智清和さん)「きょう寒かったでしょ、あさ」
こちらの女性は病院に向かうためタクシーを利用しました。
(客)「足が悪いんだ。(タクシーが)ないと不便です」
(フジ交通 越智清和さん)「足元気を付けてね。いってらっしゃい」
(フジ交通 越智清和さん)「この商売はお客さんを乗せる商売なので、安全性が自分で保てなくなると引退しますが、お客さんが降りた時のありがとうっていう笑顔が一番じゃないですかね」
人手不足が叫ばれるタクシー業界ー。
シニアの力も業界を救うひとつの切り札になりそうです。