「招致活動は停止せざるを得ない」札幌市長が表明 五輪競技の会場候補地は「残念」
札幌市が9年間にわたって続けてきた冬季オリンピック・パラリンピック札幌招致について、札幌市の秋元市長が「招致活動の停止」を正式に表明しました。
今後のマチづくりへの影響はどうなるでしょうか。
(札幌市 秋元克広市長)「現在の招致活動は停止をせざるを得ないというふうに考えているところでございます」
秋元市長は19日に開かれた意見交換会で、冬季オリンピック・パラリンピック招致の今後の方向性について、招致「断念」や「撤退」ではなく「停止」の意向を伝えました。
将来的に招致再開の余地を残しましたが、地元経済界は・・・
(冬季オリンピック・パラリンピック札幌招致期成会 岩田圭剛会長)「いまこのような状況ですから、一度立ち止まって。オリンピック・パラリンピック招致ということの意義については変わらないというふうに思っていますので、つなげるようにしていきたいなと思っています」
札幌市中央区のスキー場です。
招致活動ではフリースタイルスキーとスノーボード・ハーフパイプ競技の会場候補地でした。
(札幌ばんけい 小林正人営業・企画部長)「こちらがスノーボードのハーフパイプのコースになります」
過去にはアジア大会やワールドカップなど、国際大会も開催された国内屈指のコースです。
招致の可能性が実質的に消滅した影響は大きいと話します。
(札幌ばんけい 小林正人営業・企画部長)「現状のロッジのスペースですとか、いまかかっているリフトの状況を考えると、大幅な改修をしなければやっぱり受け入れはできないのかなというふうに考えておりましたので、今回このような形になりましたのでちょっと残念な部分はありますね」
一方、札幌市はオリンピック招致に合わせて、老朽化した施設の建て替えを検討していました。
東区の「美香保体育館」の機能を「つどーむ」に移して、カーリング場などを新たに整備するほか、札幌ドームの敷地内に「新月寒体育館」を建設する方向です。
招致活動の停止によるマチづくりへの影響について秋元市長は・・・
(札幌市 秋元克広市長)「財源をしっかり確保していくことだとか、あるいは民間の資金を導入するというようなことも含めて計画はしっかり進めていく。財源についてもいろいろな手立てを確保していくということに努めていきたい」
専門家は今後のマチづくりについて、規模縮小を検討する必要があると話します。
(奈良女子大学 石坂友司教授)「オリンピックに頼った構造ではなくて、やはり自前の予算と計画をきちんと身の丈にあった形で作り直すということが必要になってくると思いますので、やはりあきらめざるを得ないものはかなり出てくると思います」
「招致活動の停止」により今後のマチづくりにどう舵を切るのか、その手腕が問われています。