男性がクマを蹴って撃退「運が良かっただけ…逃げてくれて助かった」 北海道名寄市
4月25日、北海道名寄市智恵文の林道で旅行者の50歳男性がクマ2頭に遭遇し、近づいてきた1頭を蹴って撃退しました。男性にけがはありませんでした。
また、札幌市の住宅街でも24日、クマが目撃されるなどクマの出没が相次いでいます。
旅行者の男性(50)がクマに遭遇したのは、道北・名寄市智恵文の林道です。
きょう午前10時過ぎ、男性は観光目的で「比翼の滝」を見ようと車で林道に1人で入り、滝の手前、およそ2キロメートル地点で車から降りたところ、茂みからクマ2頭が現れました。
2頭のクマはそれぞれ体長がおよそ1.3メートルと、およそ1.5メートルだったということで、男性はクマを追い払って滝を見に行ったあと、午前11時半ごろ警察に通報しました。
警察によりますと、男性は空手の経験者とみられ、当初、クマを蹴った右足をひねり痛みを訴えていましたが、けがはないということです。
STVの取材に対し、男性はー
「クマが2頭で怖くて車の運転席側に逃げ込むように回り込んだら、少し大きいほうのクマが反対側から回り込んできたので、蹴りをとっさに入れました」
「小さめのクマだったので、ツキノワグマだと思った」
「クマはそのままびっくりしたのかすぐ上に逃げました、もう1頭は近くで立ちすくんでいるので、すぐ車の中に逃げ込んだんですけれど、閉めるドアの音でびっくりしたのか、遠くに逃げてくれた」
(記者)クマスプレーや鈴は持っていたのか?
「持っていなかった。スプレーは買いに行ったときに無いと言われた。ラジオを鳴らそうと思ったが、電波が届かなくてしかたなく無音だった」
「(今回の撃退は)運が良かっただけ。たまたま逃げてくれたけれたから助かったけれど、クマがあのまま突っかかってきたらひとたまりもなかった」
また、札幌では24日午後6時半ごろ、札幌市南区簾舞4条6丁目の住宅街で住人の女性が、家から30メートルほど離れた山の斜面にクマ1頭がいるのを目撃し警察に通報しました。
クマは体長1.5メートルほどで、その後、山に戻ったということです。
( 近所の住民)「ここ最近はクマが出て当たり前なので、出そうなときは家から出ないと か自衛しないとこわいことになる」
クマが目撃された山では札幌市の担当者が痕跡を調べましたが、フンや足跡などは見つかりませんでした。
警察は周辺のパトロールを強化し、注意を呼び掛けています。
(宮永キャスター)
クマに遭遇してしまった場合は、クマを刺激せず、ゆっくり後ずさりして距離をとり、その場を離れるようにしてください。
これからの時期は山や森には常にクマがそばにいると考えて行動する必要があります。