レールはわずか3ミリに 傾いた線路…踏切の特異的な構造と塩害の影響か 函館線・貨物脱線事故
レールはなぜ著しく腐食したのでしょうか。
函館線の脱線事故について、JR北海道は29日の会見で、脱線が起きたとされる踏切が特異的な構造で、塩害の影響をうけた可能性があると見解を示しました。
(JR北海道鉄道事業本部 進藤州弘工務部長)「海岸線ではレールだけでなく橋梁等の鉄の鋼材を使ったものも腐食しやすいのはわかっているので、全般的な要因としては間違いなく塩害はあると思う」
11月16日にJR函館線で発生した貨物列車の脱線事故。
機関車1両にコンテナ車両20両が連なって走行中、コンテナ車両5両が脱線。
最後尾の1両はおよそ30メートル分離しました。
(JR北海道 島村昭志鉄道事業本部長(18日))「当社としてはレールの腐食が脱線の原因の1つになった可能性が高いと考えている」
事故で明らかとなったのは、本来15ミリあるレールの「腹部」が著しく腐食し、5分の1になっていた実態。
腐食の原因はわかっていませんが、脱線が起きたとされる踏切のすぐ近くには漁港があり、地元の人からは「塩害」の可能性が指摘されていました。
(地元の漁師)「漁師だから塩水積んだ荷物を運んだら常に塩水がかかる。だから普通の踏切とはわけが違う」
踏切では、漁業関係者が荷台に積んだ荷物から海水がこぼれる様子も見られました。
(JR北海道鉄道事業本部 進藤州弘工務部長)「潮がなければ、あそこまでの腐食が進むとは考えにくいので、おそらく塩(分)の作用は何かしらあると考えている」
さらにー
(宇佐美記者)「列車が踏切を通過します。車両が大きく右に傾いています」
JRは塩害のほかにも、線路が曲線で傾いていたことがレールの腐食につながった可能性があると説明しました。
(JR北海道鉄道事業本部 進藤州弘工務部長)「傾きがついた線路になっていて、踏切内が凹凸がついた道路面になっているので、凹凸のくぼみに水がたまりやすかったのでは。環境要因など、どれが鷲ノ木道路踏切(現場)で強く働いたか現段階では特定できていない」
JR北海道は事故をうけて、海沿いにあり敷設30年以上経過するなどした道内24の踏切を22日までに緊急点検し、異常がないことを確認しました。
さらに今後は点検範囲を拡大するとしています。